すべての女性に美しさと快適さを届けたい

「どんなスタイルであっても、その人らしくいてほしいという思いがあります。ですので、コンセプトビジュアルのモデルには、バックボーンをしっかり持ち、ブランドコンセプトに合った人生を楽しんでいる方にお願いしました」(加藤さん)

 新アスティーグはキャンペーンビジュアルに、ありのままの容姿、その人本来の持つ美しさを表現している6人のモデルを起用。

 いわゆる美脚とされてきた固定観念にとらわれず、すべての女性が美しさと快適さを楽しんでほしい、という思いが込められている。

 「これまでは、細くてきれいな脚のモデルの方をビジュアルに使用していましたが、誰もが、その人らしくありのままの自分を楽しんでほしいというメッセージを込めて、キャンペーンビジュアルを作成しました。

 商品のパッケージも、着用画像はモノクロ画像を使用することで、国籍や性別を問わず手に取りやすいデザインに仕上げています」

 新デザインは、「2021年度グッドデザイン賞」を受賞した。

 紙のパッケージなので、上部をビリっと破くだけで簡単にストッキングを取り出すことができ、開封時の伝線リスクも低減できる。

「忙しい朝にも焦らず取り出すことができますし、廃棄する際も分別の手間を省くことで、時短につながるように配慮しました」
 
 また、プラスチック製の外袋やフック、セロハンテープなどの包装資材を削減し、素材の大半に紙を使用することで、大幅にプラスチック量を削減。環境に負荷をかけないサステナブルなパッケージだ。

 今後さらにライフスタイルが変化し多様化が進む中で、レッグウェアの分野も大きな影響があると予測される。そんな中で注目されるのは、高齢化社会への移行、女性の社会進出、環境への配慮の3点だ。

 「環境やライフスタイルが変化する中で、人から見て美しいと思われる昔ながらの固定概念に縛られずに、自分らしく生きることを応援したいと思っています。

 そのために大切なのは、しっかりとお客さまに寄り添い、その思いに貢献していくこと。

 これからも、オンライン調査や座談会、店舗に立つ販売員の方たちの声を聞き、お客様の要望を叶える商品をつくっていきたいと思っています」

 アツギの創業理念である「すべての女性の美と快適に貢献したい」は時代を経ても変わることなく、商品開発に息づいている。

加藤理子 (かとうのりこ)

2001年、アツギ株式会社入社。以来、アツギの数々の主要ブランドの商品企画に携わる。2019年より新アスティーグの開発を担当。消費者の求める美と快適さを追求する、「女性に寄り添う商品づくり」を目指す。

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2022.02.21(月)
文=佐藤由樹
写真=平松市聖