愛子さまのポンチョとふわふわのバッグ
以前から、愛子さまはガーリーなモチーフを好んでファッションに取り入れていらっしゃるのではないかと拝察している。たとえば2019年3月、ご静養のためJR長野駅に到着された際に、愛子さまはアイボリーのポンチョをお召しになり、白いふわふわのハンドバッグには、可愛らしいリボンのようなモチーフがあしらわれていた。
2019年8月に那須どうぶつ王国を訪れられた際は、ブラックのトップスに合わせてお召しになったブルーデニムのウエストを、大きくリボンの形で結ばれていたこともあった。
対照的にシンプルで潔いローブ・デコルテのデザイン
対照的に、冒頭で述べた全体的にシンプルで潔いデザインが際立つローブ・デコルテで愛子さまが示されたのは、ご成年という節目を迎えられたご自身のお立場や、プロトコール(国家間の儀礼上のルール)への意識だったのではないだろうか。
愛子さまの身長を生かした“Iライン”、近年成人された内親王方の中では唯一無二といえるマニッシュな印象のテーラードカラーのジャケット、ドレスとジャケットでリンクするような地模様など、いずれも上質な純白のシルクの潔さが映えるデザインだ。アップにセットされた御髪に煌めく紀宮さま(現・黒田清子さん)から借用されたティアラ、シャープで細めなデザインのネックレスもその印象を引き立てている。
ティアラは「無駄遣いという批判にはあたらない」
今回はコロナ禍における国民生活や経済活動への影響を考慮されて、愛子さまのティアラの新調が見送られたが、宮内庁の西村泰彦長官は昨年11月の定例記者会見で、「ティアラは儀式の際に、女性皇族がおつけになるものとして必要なもので、それを作ることが、無駄遣いという批判にはあたらない」と述べた。
気品がありながらシンプルな装いを選択されたのは、愛子さまご自身も、ティアラなどの装飾品とローブ・デコルテをお召しになって正装をするプロトコールの意義をよくお考えになった結果でもあったのではないかと思える。
2022.01.20(木)
文=佐藤あさ子