この仕組みから分かるのは、「3秒間のカウントダウンを行っている間」と「通報先を選ぶ画面」、計2度にわたってキャンセルの機会があることです。いきなり110番につながるわけではありませんので、過剰に恐れる必要はありません。まずは「電源ボタンを5回連続で押す」ことだけ覚えておけば、あとは画面の指示に従えばよいでしょう。

 ちなみにこの「緊急SOS」、初期設定ではカウントダウン中に大音量の防犯アラームが鳴り響く仕様になっており、これは何らかの危険に直面して身を潜めている時、相手に知られずに通報するには不向きな仕様です。防犯アラームとして使うのならまだしも、そうでない場合は設定画面の「緊急SOS」を開き、「カウントダウンで音を出す」のチェックを外しておくことをおすすめします。

 

紛失・盗難時に「紛失モード」にしたい。まず何をすればいい?

 次に紹介するのは「紛失モード」です。iPhoneを落としたり、盗難に遭った場合、クラウドを経由すれば位置情報を検索できますが、その時にiPhoneを「紛失モード」に切り替えることで、画面上に連絡先やメッセージを表示し、スムーズな返却ないしは届け出につなげることができます。

 もっともこの時点では肝心のiPhoneが手元にないため、まず何をしてよいか迷いがちです。最初に行うべきなのは、手近なPCやスマホを借りるなどして、ブラウザからiCloudへとログインすることです。メニューにある「iPhoneを探す」をクリックすると、同じApple IDを使っているデバイスが地図上に表示されますので、そこから紛失したiPhoneを探します。電波の圏外でなければ、問題なく表示されるはずです。

 現在位置が把握できれば、拾った人に連絡してもらうための電話番号とメッセージを画面に表示する「紛失モード」へと切り替えるか、もしくはリモートでiPhoneを初期化するかを選択します。もちろん状況によっては、すぐさま警察などに連絡するという選択肢もありでしょう。

2021.06.19(土)
文=山口真弘