●コツ6 ガーゼケットで睡眠力アップ

――お部屋の光がやさしいと、それこそ寝入りばなの心地よいリズムが生まれそうですね。

塩谷:本当にそうなんです。睡眠に関していうと、冬も夏もガーゼケットが心地良くて愛用しています。薄いガーゼケットは3重くらいなんですが、ヒオリエというメーカーのものは8重もあってフワフワしていて。夏はそれ1枚で大丈夫なくらいの安心感があって、冬なら掛け布団のあいだに1枚入れるだけで、保温力がすごくて、朝起きたときのポカポカ幸せ感が圧倒的です(笑)。

 昔はいわゆる毛布を使ってましたけど、毛布ってちょっと重いし、汗だくになるし……。ガーゼケットは自分から発した熱が自然に行き渡る感じがするし、軽くて、暖かくて、丸洗いも簡単で、質感も好み! 

――すごく睡眠の質が高くなりそうですね。

塩谷:それでいうとIKEAのエルゴノミクス枕を使うようになってからは本当に肩がこらなくなって、私にはフィットしました。ずっと枕難民で、高級枕をオーダーしようかとも悩んでいたんですが、案外安く済んだので助かりました(笑)。

 そして寝る直前までスマホを見たい欲を強制終了させるためにも、アイマスクは欠かせません! やわらかで吸水性の高いコットン素材のものを愛用しています。

 あと、目覚ましに好きな音楽を設定してしまうと、その音楽がたちまち嫌いになってしまうので(涙)、鳥の声などの環境音にしています。絶対に寝過ごせないときは、大音量のアラームもセットしておきますが……。

●コツ7 自己肯定感の高まるスタイルで

――明日からでもやれそうな提案が多くて安心しました。

塩谷:安心というか、私は暮らしの素人ですし、自己流で好きにやってることばかりで……。でも他人の暮らしって、すごく輝いて見えてしまったりしますよね。私も、Instagram越しに垣間見える他人様の美しい暮らしを見ては、「わー素敵」よりも前に「わー、私ってダメ」という気持ちになりがち。という私のInstagramも、綺麗なところばっかり載せちゃってるんですけどね。でも、執筆が忙しいともちろん、人様にお見せできないような状態にまで崩壊します!

 けれども、それはそれでヨシ。気を抜いた自分がもっとも心地よく過ごせるよう、手を抜きつつ、ギリギリ最低ラインが崩壊しないためにも家のなかのUXを向上させていくといいと思う。ただ、暮らしが環境と直結していることだけは意識しておきたいですね。

 もともと、私はとてもずぼらだからこそ、不快なゴミを家のなかに増やさないように気をつけていました。カップ麺やペットボトルは便利ですが、ゴミの量が半端ない。だから極力買わないし、身の回りのものをできるだけ繰り返し使えるものにしています。

 そうすると、結果として比較的エシカルな暮らしが出来ていく。あとは油を下水に流さないとか、ゴミの分別をちゃんとやるとか……。当たり前のことですが、当たり前って案外、意識しなきゃ出来なかったりもしますよね。「ちゃんと暮らしていてエラい!」と自己肯定感が高まるので、オススメです。

塩谷 舞(しおたに・まい)

文筆家。1988年大阪・千里生まれ。京都市立芸術大学美術学部総合芸術学科卒業。ニューヨーク、ニュージャージーを拠点に執筆活動を行う。2009年、大学時代にアートマガジン『SHAKE ART!』を創刊。2012年にCINRA入社、WEBディレクター・PRを経て、2015年に独立。会社員時代より、WEBメディアの執筆、企業の広告企画、SNSマーケティングに多く関わり、「バズライター」の異名をとる。2017年、オピニオンメディアmilieuを立ち上げ、自身の執筆活動を本格化。note定期購読マガジン『視点』にてエッセイを更新中。

初の著書『ここじゃない世界に行きたかった』

あたりまえに生きるための言葉を取り戻す。出会うべき誰かと強く惹かれあうために――。アメリカ在住のエッセイストが贈る、瑞々しいデビュー作!

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2021.03.08(月)
文=ライフスタイル出版部
写真=塩谷舞、杉山拓也(ポートレート撮影)