全く逆に振り切って、そこからちょっとずつ戻ってくる

――例えば、どんな方に相談されるんでしょうか。

若林 事務所の先輩のはなわさんには、20代前半の頃からずっと相談してきました。

――印象に残っているはなわさんの答えはありますか?

若林 僕、確かに自意識が強いので、突飛なネタを作れなかったんです。オードリーは漫才をするんですけど、漫才ではないコントで別の人格になることも苦手だった。それで、地味なネタばかりになって悩んだ時に、はなわさんに相談しました。

©️文藝春秋
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 はなわさんは「一度、自分と全く逆に振り切って、そこからちょっとずつ戻ってくるぐらいでいいんだよ」って言ってくれました。そうしたら直後にたまたま、春日が緑のモヒカンになってたんです(笑)。しかも、その数日後に春日から電話がかかってきて、「モヒカンを止めたい」って言われて! いろいろ荒療治って感じで印象的でしたね。

――春日さんに自意識の悩みを相談することは……?

若林 春日は、生きるのが上手なモンスターみたいな存在ですから。自意識って言葉もまだ理解してないでしょうね(笑)。そういうものがあるらしい、ぐらいにしか思ってないんじゃないかな。

2020.10.14(水)
撮影=平松市聖