タダ同然になるカラクリとは?

 東京駅発広島往復新幹線+広島市内のホテルに宿泊する1泊2日30000円のツアーに2名で参加したと仮定してみた。

 以下1人あたりの費用である。

30000円-15000円(広島県旅行割引プランで15000円引き)=15000円

15000円-10500円(もとの30000円からGo Toトラベルで35パーセント割引)=4500円が実際の支払い額となる。

広島駅 ©iStock.com
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 さらに地域共通クーポン5000円(30000円の15%は4500円だが1000円未満は四捨五入)分が付加されるので計算上は500円の黒字となる。

(フリーツアーのなかには期間中1泊のみ宿泊というものもあるが、広島県旅行割引プランを適用させるためには、全行程の宿泊をツアーで予約する必要がある。)

予算消化しだい終了に

 このプランのネガティブな点は広島県旅行割引プランの予算が限られていて争奪戦が必至ということだけだ。実はこのキャンペーン、すでに広島県の近隣県在住者を対象に行われていたが、短期間のうちに予算が消化されてしまった。10月1日から居住地の制約がなくなるとともに、すでに予算を消化した旅行会社には追加の予算が加わる。このキャンペーンの中身と対象者の多さから考慮するに、すぐになくなってもおかしくない。ちなみに予算は旅行会社ごとに割り当てられるので、旅行会社Aでは売り切れになっても旅行会社Bでは残っている可能性がある。

©iStock.com
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広島市では宿泊費が最大50%割引となる宿泊券を販売

 なお、広島市では、額面の倍額の宿泊費に充当できるプレミアム付宿泊券を販売している(https://hiroshima-city-premium.jp/)。9月27日時点で5000円券が売り切れているが10000円券(販売額5000円)は販売されている。こちらは中国地方、四国地方のセブン‐イレブン、ローソン、ミニストップ、ファミリーマートでないと購入できない。なお、宮島は広島市ではなく廿日市市なのでご注意を。

2020.10.16(金)
文=橋賀 秀紀