長年、“ダークなカジノの街”といったイメージがつきものだったマカオが今、他の都市に例を見ないほどの規模とスピードで開発され、世界的なエンターテインメント・シティへと変化を遂げている。その象徴となっているのが、ハイクオリティーでラグジュアリーなカジノの数々だ。
そもそも、マカオのカジノの歴史は古く、1847年にポルトガル政府から認められた、160年以上続く文化でもある。1960年代以降は、カジノキングとして名高いスタンレー・ホーの独占市場となっていたが、2002年に政府が運営ライセンスを外資系企業に開放して以来、次々とラグジュアリーなカジノが進出。2006年には、カジノの売り上げがラスベガスを抜き、世界一となった。現在、世田谷区の半分ほどの面積しかないマカオには、昔ながらのローカル系、エンターテインメント要素の強い外資系とあわせて、実に30以上のカジノが存在している。
右:巨大ホテルとカジノが林立するコタイ地区も、かつてはなにもない、ただの沼地だった。建築ラッシュが始まったのは、2004年あたりから
名だたる外資系の豪華カジノが集まるのは、タイパ島とコロアン島との間の埋立地にできたコタイ地区。なかでも、スケールに驚かされるカジノといえば、ラスベガスからやってきた「ヴェネチアン・マカオ・カジノ」だ。ヴェネチアをイメージした建物のエントランスをくぐると、フレスコ画が一面に描かれた天井と豪華なオブジェに迎えられる。その規模は本場ラスベガスを凌ぎ、カジノフロアは東京ドームより広い。その向かいにある「シティーオブドリームス」も、豪華さではひけをとらない。5つ星ホテルやショー・シアターなどを擁する大型施設の1階に「シティーオブドリームス・カジノ」、2階に「ハードロックホテルゲーム・スペース」と、雰囲気の異なる2つのカジノがある。おなじく、コタイ地区では、19億ドルを投資して2011年にオープンした「ギャラクシー・マカオ」も話題となった。
» 各ホテルや施設の詳細データは3ページ目に掲載しています。
2012.12.13(木)