スタイリッシュな美術館は
名作が詰まった宝箱

 古来より歌に詠まれ、文化人に愛されてきた京都・嵐山の景勝地に2019年10月、福田美術館がオープンする。

 江戸から明治時代に活躍した画家の作品を中心に、約1,500点のコレクションを所蔵する福田美術館では、年に4回の企画展を行う。

 コレクションの中心を成す近代絵画では、京都画壇で活躍した竹内栖鳳や上村松園のほか、横山大観、竹久夢二などの名品が揃う。

 1階と2階の展示室には、92%という高透過度を誇るドイツのグラスバウハーン社製のガラスケースを採用。

 継ぎ目のない最長4メートル幅のガラスケースは圧巻だ。

 ケースの奥行きは展示にあわせ、30センチから1メートルまで自由に可動もできる。ほかの美術館ではなかなかない技巧が組み込まれている。

 ここでは、ガラスの存在を感じることなく、作品との距離がなんと最短30センチという至近距離で鑑賞が可能。

 実際に作品を見てみると、細部の描写や絵絹、紙の質感、絵の具の発色などが通常よりもはっきりと見え、まるで、自宅の壁に掛けた絵を見るような臨場感を感じることができる。

2019.09.24(火)
文・撮影=景山由美子