小さな貝殻を紡いだピアスで
旅の思い出を耳もとに

 南の島のアクセサリー素材のひとつに貝殻がある。なかでも、カウアイ島の西にあるニイハウ島で採取されるニイハウシェルは、レイの材料としても使われる小さくて美しい巻き貝だ。

 ニイハウシェルジュエリーワークショップでは、白い貝殻を使ったピアスを作ることができる。貝殻はそれぞれ直径5ミリほど。あらかじめ穴が空けられているので、そこからテグスを通して繋いでいく。

 かなり細かい作業で、参加者の中にはなかなか穴にテグスを通すことができずに時間がかかっている人も。でも、その分、できたときの喜びはひとしおだ。

 ギブアップした人は先生が助けてくれる。大きなハワイアンの先生は、手先がとても器用で、大きくて太い指を巧みに操って次々と貝殻を紡いでいく。

 貝殻を繋いでいくと、ブドウの房のような形になってきた。片耳10個ずつ、合計20個を通し終わったら、先生がピアスのパーツを取り付けてくれる。これで貝殻ピアスの完成だ。夏にぴったりな涼しげなピアスができた。

 ニイハウ島はハワイ諸島最大の個人所有の島。1864年に、スコットランド人のエリザベス・シンクレアが、ハワイ王国のカメハメハ5世から10,000ドルで買い取った。

 現在もその末裔と、もともと島に住んでいたハワイアン以外は入島が制限されている。そのため、ハワイ文化が色濃く残る島としても知られているのだ。

 そんな島の歴史に思いを馳せながら、自分で作った愛らしいピアスを持ち帰ることができるステキなジュエリー教室だ。

2018.12.08(土)
文・撮影=たかせ藍沙