1年間のチャレンジを達成し
クローゼットも日常も大きく変化
服で自分らしさを表現するために役立ったのが、自分をよく見せてくれる色を決めたこと。
「あまた読んできた断捨離本の中に、コーディネートは3色でいいと書いてあるのがあって、そこに、別の本で読んだベーシックな色と差し色を決めるといいという情報を組み合わせて、自分らしい基本色を決めることにしました。
私は黒よりもネイビーがしっくりくるし、ファッションには清潔感が大事だと思っているから白も必要。差し色には、好きな色だし、着ると元気そうに見せてくれる濃いピンクか赤がいいかな、って。
チャレンジ前は、『黄色い服は持っていないから買おう』って服のバリエーションを増やす方向でしか考えていなかったのが、基本色を決めてからは『シルエットも綺麗で可愛いコートだけど、グリーンだからやめよう』って、迷いなくセレクトできるようになりました」
松尾さんが描くイラストのように、差し色として選んだ鮮やかな濃いピンクのニットは、愛犬の散歩にも着ていけば、お出かけ着にもなる。
「前は、ファストファッションブランドなどで部屋着や日常着用にと、わざわざTシャツとジーンズを購入していたんですけど、実用重視で選んだ服には愛情が持てず、扱いも雑になるし、着ていて気持ちも上がらないんですよね。
1日をご機嫌で過ごすのには、ファッションが大事。そう気づいてからは、部屋着という概念を捨てて、家にいるときでもお気に入りのニットに、シルエットもはき心地もいいジーンズをはいています。仕事中に絵の具が飛んだらすぐにケアするようになったし、ふと鏡に映った自分を見たときに『あ、今日もちょっと可愛いかな』って思えるから、気分もいいです(笑)」
パジャマやタオルなど
生活用品を上質なものに
日中をお気に入りの服で過ごすようになると、次はパジャマやタオルなど、肌に触れるものすべてに心地よさを求めるようになっていったという。
「家の中で目に入るものを気持ちよくしたいと思うようになって、スリッパやタオルといった生活用品も、本当に好きと思えて、ストレスなく扱えるものを厳選するようになりました。金額は少々高くなりましたけど、洋服に費やしていたお金が浮いた分、生活用品に回せるようになったというのが本当のところ。
洋服をどうにかしたいとはじめたチャレンジでしたけど、生活全般の質が上がり、日々の暮らしが丁寧になったのは、思いがけない変化でしたね」
2018.01.27(土)
文=今富夕起
撮影=平松市聖