“飛び出すパン屋”と
呼ばれるわけとは?
「七穀ベーカリー」は、別名”飛び出すパン屋”。北は北海道から南は熊本まで、様々なイベントに出店し、各地で人気を集めています。
「たくさんの人に出会ってつながりができ、色々な情報をもらっています。各地から、また食べたいと注文が来るのもうれしい」と山本さん。
お店でパンが並ぶ販売用のカウンターは、イベント仕様。車に積んで運び、会場で設営できるようになっているのだそう。全国にファンがいる、ちょっとユニークなパン屋さんなのです。
「生地をしっかり味わってもらうパンを作っています」と山本さん。「目指しているのは、ひと口目でガツンとくるのではなく、1個を食べ終えた時、おいしいと満足してもらえるパン。余分なものは入れません」。
発酵はイーストではなく、レーズンで起こした自家製酵母で。強力粉は北海道産のユメチカラ、全粒粉は三重県産ニシノカオリがメインで、粉はすべて国産。ドライフルーツもシリアルも、ゴマも有機のもの。安心して食べられます。
右:カフェの一角には本も色々並んでいる。
焼くのは、遠赤外線効果が最も高いとされる富士山の溶岩石を使ったオーブンで。パンはもちろん、焼き菓子やグラノーラの食感や香ばしさが違うのだそう。山本さんは、そんなオーブンで種類の違うパンを少量ずつ、丁寧に焼き上げています。
定番は、食パン。小さいサイズで、見た目も可愛い。
「七穀食パン」には、自家製のグラノーラを混ぜています。グラノーラは、オートミール、カボチャの種、ヒマワリの種、ゴマ、アーモンド、ドライクランベリーなど、有機のものを使用。甘みは、国産ハチミツ、きび砂糖。
パンを食べると、口の中でグラノーラがプチプチ弾けるようで香ばしく、優しい酸味とほのかな甘さを感じます。食感は、さっくり、もっちり。また食べたくなるおいしさです。
「サイコロ食パン」は、有機豆乳でこね上げており、食べるとむちっとした食感。いよかん入りは、いよかんのピールがアクセントで、さわやかな風味です。
「抹茶のミニ食パン」は、京都・森半の抹茶を使った強い風味がポイント。ホワイトチョコレート入りは、チョコの甘さと抹茶のほろ苦さのハーモニーが楽しめます。
「くるみパン」は、有機くるみと有機チョコレートや有機ドライクランベリーを生地に混ぜ込み、クリームチーズを包んだリッチな味わい。噛むと全粒粉が50%入った生地の旨みが広がります。
滋賀県高島市針江地区の農薬不使用栽培の農家「針江のんきぃふぁーむ」の米粉を使った「米粉のバタール」、全粒粉30%、米粉15%の「バタール30」や、その生地で、イベントで出会った東京・狛江市の「成城城田工房」のベーコンを3ミリに分厚く切って包んでいる「ベーコンエピ」など、食事パンも色々。
2017.10.08(日)
文・撮影=そおだよおこ