子どもを中心にして
働きやすく、環境を整えていく
子どもが大きくなって世話はだいぶ楽になったとはいえ、まだまだ子どもは子ども。家ではできるだけ一緒にいる時間を大切にし、休日は思い切り一緒に遊ぶ。
学校の話を聞いたり、仕事の話もしたりして、時には吉岡さんが子どもに相談に乗ってもらうこともあるとか。親が心を開くことで、なんでもよく話し合う家庭ができあがっていくのかもしれない。
多忙な中でも、子どもだけでご飯を食べる「孤食」はできるだけ避けたいので、仕事で帰りが夜遅いときには、実家の母に応援を頼む。
幸い、会社が家から徒歩圏内にあるので、夕方に一旦帰宅して、夜また会社に戻ったり。土曜出勤のときなどは、子どもと一緒に出社。自分が仕事をする横で子どもに宿題をさせたり、具合が悪い時には傍らで少し休ませたりすることも。
小さな工夫で、「見守っているよ」というメッセージを送り続け、なおかつ仕事をしている自分の姿を見せていきたいと考えている。
子どもが小さい時から一緒に家事をしてきた。そのときはコミュニケーションの時間と思っていたが、今では一緒ではなくても頼んだことをやってくれるので、家事の貴重な戦力だ。
悩んで立ち止まるのではなく
可能性を探し、考えて動く
ただし、小さな工夫だけで両立を乗り切れるものではない。
仕事をしながら子ども中心のライフスタイルを無理に貫こうとすれば、単にわがままになってしまう。会社に迷惑をかけることなく、売上も下げることなく、自分もやりがいを持って働くにはどうしたらいいのだろうか。
「壁にぶちあたったときに悩んでいてもどうにもならない。悩んで立ち止まるのではなく、考えて、可能性が少しでもあれば一歩でも行動するということを心がけています」と吉岡さん。前に進むだけではない。時には一歩引いて俯瞰してもよいのだと言う。
「こうすることで、もっと自分は仕事に貢献できる」と提案し続け、環境を働きやすく変えていく。実務ではトライアル&エラー、PDCA(plan-do-check-act)を繰り返し、早め早めのリスク回避を考えて、行動をする。その積み重ねが大切と語る。
実は、吉岡さんは特定疾患である難病を患っており、そのため「今日できることは今日やる」という思いがとても強い。
10年後には、子育てをしながら働くママたちに仕事を提供していきたい。そのために、今日できることは何か。自分に問いかけながら、吉岡さんは試行錯誤を続けている。
Column
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2017.08.24(木)
文・撮影=HITOMINA