Magnificent View #1272
アヌラーダプラ(スリランカ)

(C)Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 敬虔な仏教徒の多いスリランカ。この国で聖地とされているのが、中北部にある街、アヌラーダプラだ。紀元前3世紀にインドから伝わった仏教は、ここから各地へと広まったと言われている。

 ここは紀元前380年にスリランカ最初の王朝であるシンハラ王朝の都となって以来、大いに栄えた場所でもある。最盛期には、30以上の仏塔や寺院が立ち並んでいたとも。今も、白亜のルワンウェリサーヤ大塔や、スリランカ仏教の総本山であるマハーヴィハーラ寺院などが、当時の栄光を語り継いでいる。

 この地で代々、大切に守られているのが、仏陀がその下で悟りを開いた場所と伝えらる、インドのブッダガヤにある菩提樹の分け木だ。これは人の手によって植えられた世界最古の木なのだそう。

 街には、今も多くの巡礼者が訪れる。白い衣装を身にまとい、熱心に祈りを捧げる人々の姿が、アヌラーダプラの美しい風景に溶け込んでいる。

Column

今日の絶景

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2017.03.25(土)
文=芹澤和美