【M】

●マニアかオタクか
あなたはどっち? アニメ界の永遠のテーマ

――Mania or Otaku

 アニメマニアとアニメオタク。どちらもアニメに強い関心をもつ人のことを指す。「マニアはひとつの物事に集中する人、オタクはひとつの物事にしか興味がない人」とする説もあるが、その区別は難しく、しばしば議論になる。

●メディアミックス
アニメにゲーム、漫画。どのバージョンが好き?

――Media Mix

 アニメや映画、漫画、ゲームなど複数のメディアで同一作品を展開すること。もっとも成功したもののひとつが、昨年、スマホアプリ「Pokémon GO」も話題になった『ポケットモンスター』。1996年発売のゲームソフトを原作としてアニメ、映画、キャラクターグッズなどを世界で展開し、日本を代表するコンテンツになった。

●モブ
名もなき群衆も作品の大切な一部です

――Mob

 名前のない群衆、「モブキャラクター」のこと。顔が描かれなかったり、静止画のみで表現される悲しき存在だが、なかにはお遊びとしてモブに関連作品のキャラなどを紛れ込ませることもある。

●無印
「無印がいちばんおもしろい」説

――Mujirushi

 シリーズものの作品で、第1作に対する呼称。2作目以降は「新○○」「○○2」など第1作のタイトルに言葉やサブタイトルが足され、第1作のタイトルはそのままシリーズ名になることが多い。その場合に第1作とシリーズ全体を区別する手段として、第1作を「○○無印」と呼ぶ文化が生まれた。


【N】

●中野ブロードウェイ
歩くだけでも楽しいサブカルの聖地

――Nakano Broadway

 中野にある1966年開業の複合ビル。低層階はショッピングセンター、中・高層階はマンション(!)。アニメや漫画、鉄道模型、レトロ玩具などコアなショップが入り乱れている。美術家・村上隆が代表を務める「カイカイキキ」プロデュースのギャラリーが4つあり、そのうち“pixiv Zingaro”はアニメ関連の展示も多い。

(C)中村明日美子/茜新社・アニプレックス

pixiv Zingaro
所在地 東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ2F
電話番号 03-5345-7313
営業時間 12:00~19:00
定休日 水曜

●中の人
魂をこめて日夜作品をつくる人々(涙)

――Nakanohito

 声優のことを指す場合と、制作スタッフを指す場合がある。テレビシリーズ1話に携わるスタッフ数は制作サイドだけで100人といわれている。アニメは中の人たちの血と汗と涙の結晶なのだ。

[用例]
この作品は、中の人の思いが溢れ出ている。

●2.5次元
あのキャラがモニターを飛び出した!?

――2.5 Jigen

 「2次元と3次元の間」の意で、イラストやアニメなどの2次元の世界を、3次元の現実世界に投影したり、再現すること。主にアニメや漫画作品を原作とする舞台作品を指して使われる。2015年には、渋谷に2.5次元ミュージカル専用劇場の“AiiA 2.5 Theater Tokyo”が誕生するなど、アニメファンから注目を浴びている。

ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』の上演の様子。2017年秋には新作も上演予定なので、お楽しみに。(C)T・P/MSM2016

AiiA 2.5 Theater Tokyo
所在地 東京都渋谷区神南2-1-1
https://www.j25musical.jp/

●ぬるぬる動く
こんなに滑らかに見せる技術はすごい!(ほめ言葉)

――Nurunuru Ugoku

 キャラクターなどの動きが滑らかでスムーズなこと。「カクカク動く」の対義語。基本的にはほめ言葉だが、生理的に違和感のある動きを指すケースも多いことから、アニメーターには皮肉と受け取られる場合もある。

[用例]
『ユーリ!!! on ICE』はスケートシーンがぬるぬる動く。


【O】

●お布施
好きな作品のためなら、いくらだって惜しくない

――Ofuse

 支持する意味を込めて、好きなアニメ作品にお金を使うこと。転じて、「キャラクターグッズなどに大枚を払う」という意味もある。

[用例]
私はあのアニメに5万円お布施を払った。

●推し松
あなたはどの「松」が好き? 6つ子ブームは続く

――Oshimatsu

 「推し」とは、特定の作品のなかで好きなキャラクターを指す言葉。2015~2016年に放送され大ヒットしたテレビアニメ『おそ松さん』の6つ子のなかで好きなキャラを「推し松」と表現する。

[派生語]
ねえ、何松推し?

●OVA(オーヴィーエー)
クオリティの高さに脱帽

――Original Video Animation

 オリジナル・ビデオ・アニメーションの頭文字。基本的にはセルとレンタルのみなので、倫理コードの制約がない、映画ほど予算がかからないなどのメリットがある。世界初のOVAは押井守、鳥海永行の『ダロス』。最近では西尾維新原作の『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』などが注目されている。

[作品例]
・『アルスラーン戦記』
・『東京大学物語』シリーズ

2017.02.21(火)
text=Rina Hirabayashi
illustrations=Keita Mizutani

CREA 2017年3月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

みんなアニメに夢中。

CREA 2017年3月号

大人のためのアニメガイド
みんなアニメに夢中。

定価780円