夕日ヶ浦温泉の前に
京都を満喫するおすすめスポット

 今回、目指すのは「夕日ヶ浦温泉」。その前に、京都で立ち寄りたいスポット、食べるべき京グルメをご紹介。大海原と自然に恵まれた温泉郷へ赴く前に足を運びたいのは、老舗和菓子店の菓寮。京ならではの趣ある庭景で、ほっと和むお茶の時間を満喫したい。

 車中のお弁当には、元気の出る焼肉弁当をチョイス。おやつの時間は、パンの激戦区と言われる京都でも他と一線を画する、下鴨神社のたもとにある素材重視のベーカリーのものを選び、旅気分を盛り上げて。

◆虎屋菓寮 京都一条店
庭を眺めながら、和菓子と抹茶で一服

一番人気のテラス席。春は梅や桜の花を観賞、夏場はかき氷で夏の風情を味わい、秋は紅葉を楽しみ、冬は凜とした空気に浸るなど、四季を通して楽しめる。予約は不可なので、テラス席を狙うなら早めの来店が賢明。

 和菓子の老舗「とらや」が、発祥の地である京都店を2009年に全面リニューアル。それを機に、装い新たに誕生したのが京都一条店の喫茶「虎屋菓寮」。街の喧噪から一転、美しい庭と老舗が誇る和菓子と抹茶を堪能できるこちらで、京都らしい静寂のひとときを過ごしてみては。

季節限定の干支羊羹「初鶏」と、とらやの和菓子にあうものとして厳選された抹茶「京の調」のセット。干支羊羹は1月下旬まで。干支羊羹・抹茶セット 1,188円、お持ち帰り干支羊羹竹皮包 1本 3,888円、ハーフ 1,944円。抹茶 1缶 1,836円。(※販売期間は多少前後する場合もあり)

 この時期訪れるなら、今年の干支にちなんだ干支羊羹と抹茶のセットをオーダーしよう。鶏が新たな年を告げようとしているさまを表したという羊羹は、見るからに縁起がよさそう! 京都限定の小形羊羹もおすすめ。どちらも、虎屋菓寮からすぐ近くのとらや 京都一条店でも販売しているので、旅の思い出やお土産として購入したい。

とらやの看板商品である羊羹の小形サイズなら、京都限定のものを選びたい。西京白味噌のまろやかな風味漂う「白味噌」、京都産の黒大豆と大鶴大豆からつくられたきな粉の香ばしい味わいが特徴の「黒豆黄粉」。各1本 260円。

 建築を担ったのは内藤廣氏。京都であっても建築は現代的であるべき、と思ったのだとか。約500年の歴史を誇る老舗ながら、パリへの参画や新形態ショップの展開など、そのスタイルは日々変革し続けている。しつらえは和菓子と同じく本物の素材を使うことで、ゆったりくつろげる空間に仕上げたのだそう。館内には京都の文化に関する書籍や雑誌も多数。新旧が調和する空間で、とらやの歴史を紡ぐ和菓子をいただきながら、京の趣と文化に思いを馳せてみたい。

開放感のある店内。庭との一体感を出すため、柱のない設計となっている。天井のルーパーは吉野スギの集成材。アーチ型に配することでしなりを生み、柱がなくとも強度を保っている。
建物と庭が独立することなく一体化することを目指した。庭に開かれている店内からは、石灯籠のある庭、鳥居のある稲荷社も一度に見渡せる。芝生に植えられた一本の白梅は、梅で知られる北野天満宮から譲り受けたもの。
虎屋のロゴをモチーフとしたランプ。テーブルやソファなどのインテリアも内藤氏がデザインした。

虎屋菓寮 京都一条店
(とらやかりょう きょうといちじょうてん)

所在地 京都市上京区一条通烏丸西入広橋殿町400
電話番号 075-441-3113
営業時間 10:00~18:00(L.O. 17:30)
定休日 不定休
https://www.toraya-group.co.jp/toraya/shops/

2017.01.21(土)
撮影(p2、3、4)=伊藤 信
文=吉村セイラ