「無意識のうちに積みあがっていたものが、一度崩壊しちゃったような感覚。このままではしんどいなって」

 昨年11月を振り返りシンガーソングライター・崎山蒼志は、当時の切実な思いをそう明かす。しかし、彼の中で音楽が鳴り止むことはなかった。ゆっくりと自分のリズムを取り戻し、4月には新アルバム『good life, good people』を発表。6月にライブへの復帰を果たし、今後も多くのライブ、イベント出演が決まっている。

 「今はもう、とにかくリラックスして気楽に。やりたいなと思ったことを」と穏やかに微笑む崎山さん。復帰ライブを終えたばかりの初夏、神奈川県横須賀市の「猿島」でのんびりと太陽を浴びるピクニックへ出かけ、今の心境を語ってもらった。


ぼんやりとするだけ。“今”に触れることができなかった

――久しぶりのライブ、お疲れ様でした。

 すごく楽しかったです。僕は音楽がやっぱり大好きで、制作という意味でもプレイヤーという意味でも心の底まで没入できるものは音楽しかないんだ、って再認識しました。ライブを観に来ていただいた方、サポートしてくれた方、いろんな人が関わってくれたおかげで救われた思いです。

――メジャーデビューされてから5年間、音楽活動をはじめ執筆活動や演劇への参加など、常に挑戦してきました。半年間の活動セーブというものはご自身のキャリアとしても経験のなかったことだったと思います。

 はじめてのことでした。心身ともにダメになったというか、何もできなくなっちゃいましたね。基本的にはずっと寝ていて、とりあえずどこかで目は覚めるから起きるんだけど、ただそれだけ。家でぼんやりとするだけ。

 SNSがあるから携帯も見れない。見たからってネガティブなことが書いてあるとも限らないんだけど、そういう刺激に触れること自体耐えられなかった。そういう日々が2~3週間は続きましたね。

 自分を取り巻く環境、世界情勢、プライベート……。あらゆるものが僕の上に覆いかぶさってきて、悪循環が自分でも止められなくなってしまっていた。

次のページ 昔から自分の側にいてくれた“馴染みの存在”が救ってくれました