タピオカ屋の隣に数百年前の歴史を伝える史跡が…京都という街に感じる「過去に意図せず触れる」面白さ
人生で京都に住んだ年数を数えるともう10年近くになるのだが、京都を歩くといまだにその時空の歪みっぷりにくらくらする。時流に乗って数年前にできたばかりのタピオカ屋の隣に、数百年前の歴史を伝える史跡がさらりと並んでいたりするからだ。そのような京都の多重構造(とでもいうべき不思議さ)を、本書はあたたかく、切なく、それでいて面白く、小説に落とし込むことに成功した。
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2023/09/18
文春オンライン