来園者から見える場所の作業は休園日に

 休園日となる翌8月17日(月)、解体工事が始まった。といっても、既報のとおり、最初は仮囲いを設置するための試掘や埋設管の有無の調査で、終わり次第、仮囲いを設置する。初日となるこの日は、来園者から見える場所での試掘や調査が行われた。

 仮囲いの設置は、休園日の8月24日(月)に始まった。東園パンダ舎の入口は仮囲いで遮られ、パンダのレリーフは見えなくなった。残る箇所の仮囲いは、次の休園日の8月31日(月)に設置される予定だ(この原稿の執筆時は、まだ設置されていない)。来園者から見える場所での3日間の作業は、いずれも休園日に行われることになる。

 東園パンダ舎の解体工事の仮囲いは、高さ約3メートルの白いフラットパネルによるもの。そのままでは無機質な印象がある。8月中旬時点で、東京都は今後、仮囲いをラッピングする予定としている。

 ちなみに都が2010年10月1日から2011年1月末に実施した東園パンダ舎の改修工事では、「飼育係のとっておき写真館」と題して、さまざまな動物の写真をラッピングしており、仮囲いに彩りを添えていた。

 その仮囲いには、2011年2月21日に中国から来て、東園パンダ舎で暮らすことになる2頭のパンダ、比力(ビーリー)と仙女(シィエンニュ)の日本名を募集するポスターも貼られていた。後に2頭の日本名は、力力(リーリー)と真真(シンシン)に決まった。

 2011年当時、筆者は改修工事中の東園パンダ舎に入れてもらい、工事の状況を取材した。この工事は、もうすぐやって来る2頭のパンダの住まいを整えるためのものだった。だが今回は、同じような仮囲いができても、その目的は解体工事。しかもパンダの来園は未定だ。なお、今後やって来るパンダは、2020年に完成した西園パンダ舎で暮らすことになる。

 東園パンダ舎の公開とパネル展が8月16日(日)に終わると、屋外のハンモックが取り外された。シャンシャンが愛用していたハンモックだ。ときどき母親のシンシンも乗っていた。このハンモックは撤去、つまり解体される予定だったが、上野動物園が再度、屋内外を確認して検討した結果、同園で保存することに決まった。一方、やぐらなどの構造物や、タイル製の5頭のパンダは据え付けられているため、予定通り保存は見送られることになった。

 かつて上野動物園にいたパンダたちが中国から来た際に入っていた輸送箱は、「パンダの日」(10月28日)に合わせ、期間限定で公開されたことがある。今回、保存が決まったハンモックもいずれ公開される機会があるかもしれない。

中川 美帆(なかがわ みほ)

パンダジャーナリスト。早稲田大学教育学部卒。毎日新聞出版「週刊エコノミスト」などの記者を経て、ジャイアントパンダに関わる各分野の専門家に取材している。訪れたパンダの飼育地は、日本(4カ所)、中国本土(17カ所)、香港、マカオ、台湾、韓国、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、オーストラリア、カナダ(2カ所)、アメリカ(4カ所)、メキシコ、ベルギー、スペイン、オーストリア、ドイツ、フランス、オランダ、イギリス、フィンランド、デンマーク、ロシア。近著に『パンダワールド We love PANDA』(大和書房)がある。
@nakagawamihoo

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