大観衆の視線を集め、リング上で堂々たるパフォーマンスを見せるプロレスラー。大事なプレゼンで頭が真っ白になってしまうなどの仕事の悩みも、彼らにかかれば一瞬で解決してくれるのでは?
そんなちょっと強引な見立てで、全日本プロレス最高峰の三冠ヘビー級王座を史上最年少で戴冠し、恋愛リアリティ番組『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン4でも注目を集めたプロレスラー・安齊勇馬さんのもとへ。
しかし、現れた本人は意外なほどシャイで繊細。「普段は自信なんてまったくないんです」と語ります。そんな安齊さんがいかにして大一番のリングに立ち、大観衆を魅了しているのか。仕事の悩みから、恋愛、人間関係の不器用さまで、等身大の素顔を語っていただきました。
CREA秋号「1冊まるごと人生相談」特集に掲載された記事を特別にロングバージョンでお届けします!
大事な場面で頭が真っ白……! そんな時、どうすれば?
――プロレスラーの方って、大勢のファンを前にいつも堂々とされていてカッコいいですよね。CREA読者から「プレゼンで緊張して頭が真っ白になってしまうので、場を支配するメンタルの作り方を教えてほしい」というお悩みが届いているのですが、安齊さんは緊張されないですか?
安齊勇馬さん(以下、安齊) いやいや、僕なんて入場ゲートをくぐる直前まで、本当に自信がないんですよ。普段の性格もすごくシャイで、心配症で。「失敗したらどうしよう」「期待に応えられなかったらどうしよう」って、直前までずっと不安と戦っています。
――えっ、リングに上がる直前までですか!?
安齊 本当にそうなんです(笑)。でも、プレゼンを任されているってことは、周りの人から「こいつならできる」って思われているからですよね。できない人に重大なプレゼンは任せないじゃないですか。
プロレスで言えば、メインイベントを任せてもらえるようなものです。自分自身は自信がなくても、周囲が認めて任せてくれたという「客観的な信頼」って、すごく大きな自信の根拠になる。「任されたんだから、いっちょやってやりますか!」って腹を括るきっかけにしたらいいと思います。
――なるほど。周りの評価を自分の背中を押す根拠にするんですね。でも、本番でやっぱり頭が真っ白になってしまったら……。
安齊 焦らなくて全然大丈夫です。僕も激しい試合が終わった直後、体力を出し尽くして頭が真っ白のままマイクを持つことがよくあるんです(笑)。
何をしゃべればいいかわからなくなるんですけど、先輩からずっと「リングの上では嘘がつけない。空っぽになって出てきた言葉こそがお前の本心であり、生き様だ」と言われていて。本当にその通りだなと思うんです。
プレゼンだって、「この企画が本当にいいんだ」という本気の思いさえあれば、頭が真っ白になって言葉に詰まっても、最後に出てくるのは自分の嘘偽りのない本音ですよね。事前に用意したきれいすぎるセリフよりも、その熱量のある本心の言葉のほうが、絶対に相手の心に響くはずです。
――たとえ言葉に詰まっても、本心が伝わればいいと。
安齊 そうです。たとえ自信がなくたって、胸を張って堂々としていればいいんです。なよなよ話す言葉はどんなに正しくても不安に見えますけど、堂々としている人の言葉って「そうなのかな」と相手を信じ込ませる力がありますから。
