◆7位『さまよう刃』
スリル溢れる展開 少年犯罪を扱った意欲作
●あらすじ
娘を殺され、長峰は個人的な復讐を誓った。未成年の犯人たちは少年法によって庇護されている。逃亡しながら復讐殺人を遂行する長峰をマスコミの報道も追い続ける。(角川文庫)
娘を殺された父親が、その復讐を誓う
少年犯罪というホットなテーマに取り組んだ意欲作。明確な解決を示すことが難しい問題を扱った作品だから、読者は登場人物の気持ちになりきって本を読むことになる。スリル溢れる中盤の展開には惹きつけられる。
【読者からの声】
■扱っている内容が深い。いつわが身に降りかかってもおかしくない現実がある(26歳・派遣社員)
◆8位『変身』
理系作家の真骨頂! 先端技術を扱った名作
●あらすじ
成瀬純一は事故で重傷を負った。世界初の脳移植手術を受けて一命をとりとめた純一は、術後から自身の性格が変容していることに気付く。何が彼の脳に起きたのか。(講談社文庫)
世界初の脳移植を受けた男に起こった異変とは?
脳移植という先端技術のトピックが使われているが、変身恐怖というホラーの古典テーマを扱った作品である。人の心の中にある不変の真理を描いた小説として読むこともできるだろう。
【読者からの声】
■想像もしない物語。理系出身の作者だから書ける一冊!(46歳・会社役員)
■主人公を見守るヒロインの強さもすごい(32歳・看護師)
◆9位『幻夜』
細部にまで趣向が凝らされた ある女性の物語
●あらすじ
1995年、大震災の最中に雅也は叔父を殺害した。だが、偶然居合わせた一人の女性に現場を目撃されてしまう。(集英社文庫)
殺人を犯した青年 絡めとられていく運命
作品世界は『白夜行』と連関を持っている。独立した物語として楽しむことはもちろん可能だが、2作を続けて読めば、さらに深く味わえるはずだ。
【読者からの声】
■ノンストップで読んだ(44歳・自営業)
■一人の女性にすべてを捧げる人生って……(28歳・SE)
◆10位『時生』
20年前の思い出 少年トキオとの不思議な物語
●あらすじ
息子が臨終の床に就いたとき、宮本拓実は20年前の出来事を語り始めた。少年トキオとの不思議な物語だ。(講談社文庫)
家族をテーマに描かれた、情感豊かな冒険小説
家族をテーマにした東野作品は多く、本書は父と息子の関係に焦点を当てている。1979年の浅草を舞台にした冒険小説として読むこともでき、情景がいつまでも心に残る。
【読者からの声】
■最後の数ページはいつまでも余韻にひたれます(40歳・主婦)
