国内で年間15万人以上が新たに診断され、女性のがん死亡数では第1位となっている大腸がん。大腸がんには、大腸内視鏡という早期発見の手段があるのに、「痛い」、「辛い」、「恥ずかしい」といった検査へのマイナスイメージが先行し、二の足を踏む人も多いのではないでしょうか。

 とくに便に血が混じる、便が細くなったという方は、大腸がんのサインの可能性があり、注意が必要です。大腸内視鏡検査の大切さについて、大腸内視鏡の専門医にうかがいました。

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大腸がん、早期発見のカギは「40代での内視鏡検査」

――男女とも40代で内視鏡検査を受けたほうがいい理由について教えてください。

 大腸がんは、男女ともに40代から増え始め、50代に入ると発症率が急激に高まります。大腸がんの原因には喫煙や飲酒、肉食中心の食生活など食の欧米化が挙げられますが、加齢や遺伝的要因など、多様な要素が関係しています。

 大腸がんは、ステージⅠの早期に見つかれば、治癒が期待できる予後のよいがんです。さらに大腸内視鏡検査でがんになる前のポリープの段階で見つけることができれば、多くのケースで、その場で切除することができます。

 一方、進行してから見つかると、治療には大がかりな手術や抗がん剤治療が必要になります。身体や生活への負担をできるだけ抑えるためにも、早期発見は何より重要です。40代のうちに大腸内視鏡検査を受けるメリットは大きいといえるでしょう。

――「こんな自覚症状があったら注意」というものは?

 一般的に、「便に血が混じる」「便が細くなる」「体重が急に減る」といった症状がある場合、大腸がんのサインの可能性があるため、すぐに検査を受けていただきたいところです。ただし、これらの症状が現れた段階では、すでに病状が進行しているケースも少なくありません。明らかな自覚症状がなくても、40代になったら一度、大腸内視鏡検査を受けることをおすすめします。

――腸にポリープがあると、必ずがん化するのですか?

 良性のポリープのなかには、がん化のリスクが低いものもありますが、一方で「腺腫」と呼ばれる、将来的にがん化しやすいタイプのポリープもあります。腺腫は、放置すると長い年月をかけて大腸がんへ進行することがあるため注意が必要です。内視鏡検査でポリープが見つかった場合は、その場で切除し、病理検査に出して、どのような性質のポリープかを詳しく調べます。

 また、大腸ポリープには平らで見つけにくいものも少なくありません。しかし近年の内視鏡機器には、NBI(Narrow Band Imaging:特定の波長の光で、粘膜の血管や表面構造を強調して観察する内視鏡技術)が搭載されており、通常の観察では気づきにくい小さな病変も見つけやすくなっています。さらに、AIによる病変検出システムを備えた内視鏡も登場しており、一昔前と比べ内視鏡そのものの精度も格段に向上しています。

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