長女は日本、長男はニューヨークで暮らし始め……

――夫と子どもの𠮟り方について、ぶつかったことはありますか?

 叱る理由に関しては、夫と私の考え方の違いがはっきりあります。育ってきた環境や文化が違うこともあり、何が悪いのかのポイントが異なるんです。子どもたちが理解できる諭し方かできるか、夫婦で徹底して議論をします。

――子どものことで夫婦げんかになることもありますか。

 子どものことは、意見の違いがあれば、話し合って解決するのですが、夫のことで一番困るのは、ほかの家族のことはおかまいなしに、夫が自分のスケジュールで動くことですね。

 まだ学校があるのに、「よい経験になるから」と勝手に旅行の予定を入れてしまったり。保護者会、私は子どもたち全員欠かさず出席をしているのに、夫の都合で欠席を余儀なくされたり。その時には私がかなり怒ったので、長女が若いママとして代わりに出席をしてくれました(笑)。

 多分、私の方が夫に対して怒っていることの方が多い気がします。私は必死に怒っているのですが、夫は何事もなかったかのように接してくるので結局いつの間にか怒りも無くなっています。

 もう何十年も繰り返してきたので慣れましたが、日本のように黙っていても察してくれる文化ではないので、お互いに言いたいことははっきり言うようにしています。

――そんな教育方針で育ってきたお子さんたちはのびのびと育ち、昨年、長女は大学を、長男は高校を、次女は中学それぞれ卒業、今、長女は日本、長男はニューヨークで暮らしているんですね。

 長女は、去年の9月から1年の予定で日本の生活を始めました。「文化もきちんと理解していないし、日本人と接したこともあまりないから、日本のことをちゃんと知りたい」と言ってくれて、とてもうれしかったです。東京では、多国籍の人たちと知り合い充実した毎日を送っているようで、当初の1年の予定からあと数年は生活をしたいと言っています。

 夫と私と次女は、夫の仕事の都合で昨年9月からミラノに住み始めました。ちょうど、長女と息子が家を出たタイミングで、家族みんなにとっての挑戦の1年となりました

 ミラノへの移住は、やろうと思えばパリ~ミラノを夫が仕事のたびに往復をするということで乗り切れたとも思います。でも、今まで家族5人で生活をしていた空間に3人だけになってしまう。特にここにいたら私が寂しさでしんどくなってしまうことが夫には容易に想像できたようで……。

 だったら、長女は東京で、息子はニューヨークで新たな生活をスタートさせるのだから私たち3人も新たな場所で頑張ってみよう! と家族みんなの挑戦となったのです。

 実際にミラノに住んだことで”空の巣症候群”にはならずにすみました。初めての土地、言葉もわからず自分がここで生きていくのが精一杯で(笑)、寂しく感じている時間がなかった感じです。

 家族みんながそれぞれの場所で頑張っている! お互いの様々なエピソードを電話で語りあうのが楽しみな毎日です

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