アウトドアで出会った「忘れられない景色」とは?

松本 まず、北米最高峰デナリ(標高6190m)の景色です。昨夏、知人のハイカーとふたりでアラスカのデナリ国立公園を歩きました。紙地図のみを頼りに道なき道を行くバックカントリーキャンプは初体験で、3泊4日のまさにアドベンチャーでした。写真家・星野道夫さんが写した大自然に憧れを抱いていましたが、実際に歩いてみると渡渉ややぶ漕ぎが多く、想像以上にハードな日々。しかも初日、2日目はずっと雨。ようやく晴れた3日目は出発直後、10m先にグリズリーと遭遇して、「うぁ!」って。でもそんななか、グリズリーを避けて登っていった先で、デナリが見えたんです! 真っ白で大きくて「これがデナリか」と感動しました。

 もうひとつ、北海道の黒岳で見た風景も忘れられません。2024年の初秋に3泊4日で登って、ひとりで数日間にわたるテント泊はこのときが初めてでした。初日に雪が降ってしまって、「どうしよう」「寒すぎたら帰ろうかな」と少し不安になりましたが、2日目の朝起きてテントから出ると、一面の草紅葉に薄く白い雪が積もっていて。本当に、めちゃくちゃきれいでした。避難小屋がある石室のテント場を拠点に、お鉢めぐりをしたり、野湯の中岳温泉の足湯に入ったり、周辺をいろいろ散策して楽しい時間でした。

――最後に、これから登山を始めたいと思っている人へ向けてひと言お願いします。

松本 まずは近場から始めるのがおすすめです。たとえば関東近郊にもすばらしい山はたくさんありますし、登らず麓を歩くだけでも十分楽しいはず。私は社会人になったばかりのとき、都心の人の多さや仕事の大変さに疲弊してしまって週末のリフレッシュに登山を始めたのがきっかけです。その頃、奥多摩や秩父の低山を歩いて緑を見るだけでとにかく幸せで、地場の野菜を買って帰って料理する時間が癒しでした。そんなふうに食事や、温泉をご褒美に、セットで山歩きを楽しむのもいいと思います。

 最初はハードルが高そうに思われるテント泊も一度やり方がわかれば、自転車に乗るようなもので「こんな感じか」とわかるはず。興味を持ったらぜひチャレンジしてほしいです。

PAAGOWORKS(パーゴワークス)

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