化粧品を綺麗事にしない黒KANEBOが日本にもたらした大逆転
老いは抗えない坂道か。違う。人生にゴールなんてない。いつだって途中なんだ。刺さりまくるメッセージとSuperflyの越智志帆が過去現在未来を行き来するめくるめく映像。
黒KANEBO初のエイジングケアが発信したのは、人は“老化”ではなく“成長”するのだという強烈なまでの気づき。なるほど私たちはこの提言を待っていたのだと感動を覚えた人も少なくないはず。
「美ではなく希望を売る」という、美容を綺麗事にしない覚悟の主張はコスメ界の大逆転とも言える成功をおさめ、多くが「美の呪縛」から解き放たれたかった事実を思い知らせた。
若く見えることの大義名分がいよいよ見えてきた
「若作り」は結構なNGワードだったのに対し「若見え」は今も女性誌のキラーワード。ただ美容医療の台頭から、過剰な若見えはイタイ、との新たな見方を生んだが、そういう社会通念をも覆えそうとしているのが吉永小百合80歳、岩下志麻85歳。
この人たちの超然たる若さは、若見え的なテクニックや、ましてや美容医療の可能性など全く考えさせない何か生命力そのものの強さを感じさせる。
海外にもメリル・ストリープのような人がいるが、以前から感じていた。知的な人は不思議に歳を取らないと。脳の若さなのか、バランス感覚なのか、見事な才気煥発なのか、水泳を欠かさない吉永さんの筋力なのか。
いずれにせよ知性で鳴らした女優は生物として歳を取らない。異様に若く見えることの大義名分、正しい目的がいよいよ見えてきた。
CREA 2026年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
