キャリアにおいて、突破口のひとつになった役

――イーキンさんは、これまでもさまざまなキャラクターを演じられてきましたが、本作のセンワー以外で、ジル監督がお好きなキャラを教えてください。

ジル・レオン 私はラブコメ映画『我老婆唔夠秤My Wife Is 18(日本未公開)』(02年)でイーキンが演じた、張十三というキャラがとても好きでした。一回り離れた年下妻の言動やギャップに頭を悩ます夫という役柄がとてもハマっていて。続編(我老婆唔夠秤II:我老公唔生性 My Sassy Hubby(日本未公開))が作られたときはとても嬉しかったです。

――この張十三というキャラに対する思い出はありますか?

イーキン・チェン 張十三という役は、私のキャリアにおいて大きな転機のひとつになった存在です。妻役のシャーリーン・チョイさんとは15歳ほど年齢差があり、当時30代前半だった私は、「本当にこの役を演じきれるのだろうか」と不安を抱えていました。ところが、いざカメラの前に立つと、不思議なことに自然と役に入り込めた。映画というのは本当に不思議で、「自分にはできない」と思っていたことが、現場ではできてしまう瞬間があるんですよね。結果的に、とても楽しく演じることができました。

 年齢差のある女優との共演という点では、『ラスト・ソング・フォー・ユー』にも通じる部分があると思います。ただ、今回共演したナタリー・スーさんと父娘ほどの年齢差でしたが(笑)。

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