治療でたびたび海外へ…でも「周りには言えなかった」

――治療中も多忙を極めていたかと思うのですが、不妊治療と仕事、どのように両立させたのでしょうか。

 お客さまのスケジュールありきの仕事なので、両立についてはすごく悩みましたね。誰にも言わずに治療を続けていたのですが、ただ、どうしても病院に行かなくてはいけないタイミングがある。しかも、海外で治療しているので、そのたびに海外に出なければならないわけです。なので、その期間中、日本のお客さまには「海外に施術に行く」と伝えて予約をお断りしていました。

 それで「海外ばかりで日本の顧客を大事にしていない」と離れていったお客さまもいらっしゃいます。でも、それでなくなるご縁ならそれまでですし、なくなる仕事があっても仕方ない。「自分は子どもを産むんだ」って目的が明確になったのなら、自分の人生なんだから曲げちゃいけないんだ、振り切るしかないんだ、と私は思います。それに、仕事がストレス解消になる面もあったんですよ。

 仕事は裏切らないじゃないですか。男も、妊活も裏切るけど、仕事は裏切らない。

――その後、52歳で妊娠がわかり、53歳で出産されます。妊活や出産について、好意的な意見ばかりではなかったそうですね。

 はい。53歳の高齢出産ということで、メディアにも取り上げていただいたのですが、あまりの反響の大きさに驚きました。大半は応援コメントでしたが、「子どもに介護をさせる気か」などといった批判的なコメントも。私は読んでいませんが、夫は全部読んでいて、「そんなつもりはない」「俺はまだ若い」とかいろいろ言ってました(笑)。

 でも、いろいろな意見があるのは当然だと思っています。すべての人に理解される生き方なんて、そもそも無理ですよね。ですから、否定的な声があること自体に、過剰に反応することはありませんでした。

 むしろ、出産の前後は健康管理に意識が向いていましたね。産後は3カ月で復帰すると決めていたので、帝王切開を経験した方に話を聞いたりして、産んだあとのイメージを固めていきました。無事に産むということ以外は、仕事のことしか考えていなかったですね。

 日本のお客さまには、産む一週間前に「3カ月休ませてください」って言ったんです。「実は妊娠をしまして」と。お客さまもびっくりですよね。

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上田実絵子(うえだ・みえこ)

新卒で大手企業へ就職。経験を積んだのち、美容の世界へ。独学でハンドテクニックや東洋医学を学び、上田実絵子の小顔メソッドの核である「ブレインメモライズフェイスリフト」を考案。2004年には表参道にサロン「レーナ・マリア」をオープン。俳優・タレントが足繁く通うサロンとして雑誌・TVなど数多くのメディアに出演。独自の小顔メソッドは日本のみならずハリウッドセレブやドバイの王室からも支持され、定期的な施術をおこなうまでに。日本人で初めてエミレーツ航空機内誌の表紙に登場した経験をもつ。2026年2月8日、国内外での不妊治療の経験を活かし、不妊治療に特化したクリニックをオープン。
レーナ・マリア https://www.renamaria.jp/

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