青田買いした注目の新人作家の作品は?
◆『mothers』草原うみ/トゥーヴァージンズ
喪失を抱えるふたりの母の心の葛藤を描いた「mothers」ほか、珠玉の12編を収録。
「心の奥底に澱を抱えたふたりの母親が、ある出会いをきっかけに心を解かしてゆく表題作をはじめ、遠い日に傷ついた人の心を優しく揺らした行為が、数年の時を経て温かな時間を連れてくる瞬間を描いた『ティラミスのパフェ』など、人間関係の複雑さをやわらかな視点で捉えた12篇がどれも良かったので。初連載の『やがて、ひとつの音になれ』も楽しく読んでいます」
食欲の秋に読みたいグルメマンガは?
◆『レタイトナイト』香山哲/トゥーヴァージンズ
生きるための旅をテーマに、力を持たざる者たちの冒険と、細かな暮らしのプロセスを描く異世界ファンタジー。
「本作はレタイトに住む少年が、生活に苦しむ人々や街に漂う閉塞感から、『何かがおかしい』と感じて、外の世界を見るために旅立つ物語です。グルメマンガではないのですが、旅先の食堂で『野菜もち』とか『麦ディスク』とか『みどり移し豆』とか、たくさんのマリム(定食)が出てくるんですよね。それが素朴だったり、ミールスっぽかったりするんです。香山さんの絵の魅力も相まって、全部めちゃくちゃおいしそうで」
発表! CREA夜ふかしマンガ大賞2024
眠りにつく前のひとときに、日中のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる力のあるマンガを称える「CREA夜ふかしマンガ大賞」。昨年からはじまった一般読者による投票を一次選考として、200作品以上が候補にあがるなか、2024年のナンバーワンが決定しました。
» 今年の大賞は『じゃあ、あんたが作ってみろよ』
» ベスト10発表!(特設サイト)
» 選考委員31名の愛読マンガまとめ
CREA夜ふかしマンガ大賞2024
Column
「CREA夜ふかしマンガ大賞」選考委員アンケート
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- 文=大嶋律子(Giraffe)
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