8月は軽井沢には行きません!

天気がいい日には、テラスで食事。バーベキューも楽しみます。

 軽井沢に行くのは、1カ月のうち、1週間弱でしょうか。

 夫は、東京でネットメディアやラジオのレギュラーを抱えているので、滞在中に、日帰りか1泊で1~2回は東京に戻りますが、新幹線で1時間なので気楽に移動できます。

 軽井沢や福井に行くスケジュールはだいたい1カ月か2カ月前には決めるようにしています。じゃないと東京での予定がどんどん入ってしまうので。

 でも8月は行きません。一番いいシーズンなのになぜ? って思われる人も多いでしょうね。

 軽井沢というと避暑地のイメージが大きいし、実際夏場は大人気。でも年々、その混雑ぶりは大変なことに。お盆のシーズンなど、普段なら20分で着く場所も2時間ぐらいかかったりします。大きなメイン道路が限られているので、どうしても大渋滞になるんです。

 それに、晩秋から冬の軽井沢はとてもいいんですよ。人はめっきり少なくなり、紅葉は黄色や赤、オレンジが美しく、冬の雪はパウダースノーで、空気は澄み渡り、浅間山もくっきりと見えます。いま一番長くのんびり過ごすのが年末年始ですね。

 もともと、私たちはキャンプが好きだったのですが、軽井沢の家を借りてからはすっかりやめてしまいました。だって、家にいるとキャンプ場と同じ雰囲気がいつでも味わえるんです。

 お天気のいい日には朝からテラスでブランチを、夜もランプをつけてバーベキューを楽しみます。心なしか犬も東京にいる時よりものんびりしているように見えます。

ツルヤ軽井沢店までお買い物に。まだ駐車は苦手です。

 それから大きな変化は、私が運転をするようになったこと。20年以上ペーパードライバーだったのですが一念発起、猛特訓して今では軽井沢に私専用の軽自動車を置き、夫がいない時には一人で買い物に出かけたり、友達を駅まで迎えに行ったりしています。多拠点生活は、自分ができることを増やせるいいチャンスにもなりますね。

松尾たいこ(まつお・たいこ)
アーティスト/イラストレーター。広島県呉市生まれ。1995年、11年間勤めた地元の自動車会社を辞め32歳で上京。セツ・モード・セミナーに入学、1998年からイラストレーターに転身。これまで300冊近い本の表紙イラストを担当。著作に、江國香織との共著『ふりむく』、角田光代との共著『Presents』『なくしたものたちの国』など。2013年には初エッセイ『東京おとな日和』を出し、ファッションやインテリア、そのライフスタイル全般にファンが広がる。2014年からは福井にて「千年陶画」プロジェクトスタート。現在、東京・軽井沢・福井の三拠点生活中。夫はジャーナリストの佐々木俊尚。公式サイト http://taikomatsuo.jimdo.com/

Column

松尾たいこの三拠点ミニマルライフ

一カ月に三都市を移動、旅するように暮らすイラストレーターの松尾たいこさんがマルチハビテーション(多拠点生活)の楽しみをつづります。

2015.11.28(土)
文・撮影=松尾たいこ