Magnificent View #671
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路(スペイン)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 9世紀、イエス・キリストの十二使徒のひとりである聖ヤコブの墓がスペイン北西部のサンティアゴ・デ・コンポステーラで発見された。時はレコンキスタ(キリスト教徒による国土回復運動)の真っ只中。ヤコブを記念して建てられた聖堂はキリスト教徒の心の支えとなり、ヨーロッパ各地から多くの人が目指すように。これがサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の始まりだ。

 巡礼路はいくつかあるが、人気があるのは、フランス各地からピレネー山脈を経由してスペイン北部を通る道で、約780~900キロの距離になる。

 巡礼のもっとも古い記録は、951年。それから1000年以上が経った現在、この道を行く人は毎年20万人以上にもなり、ガリシア州観光の目玉となった。巡礼者の多くは徒歩だが、なかには自転車を使う人や、中世さながらにロバに乗ってくる人もいるのだとか。

 昔から続く信仰の道として、世界遺産にも登録されているこの巡礼路。同じく1000年の歴史があり、世界遺産でもある日本の熊野古道とは、姉妹道協定も結ばれている。

Column

今日の絶景

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2015.08.02(日)
文=芹澤和美