Magnificent View #606
カール・テオドール橋(ドイツ)

(C) Raimund Linke / Masterfile / amanaimages

 ドイツ南西部を流れるネッカー川に美しい姿を映すカール・テオドール橋。9つの連続したアーチからなる、全長約200メートル、幅約8メートルの石橋だ。

 ここに最初の橋が架けられたのは、1284年のこと。当時は屋根で覆われた木の橋だったが、たびたびの洪水で流されていたことから、1788年に、選帝侯のカール・テオドールが堅固な石橋を建造した。

 橋はハイデルベルクの新市街と旧市街を結び、旧市街側には双塔を持つ橋門がある。これはフランス軍に対する防御策で、落とし戸で橋を閉鎖できる仕組みになっていたという。

 ドイツ語で「アルテ・ブリュッケ(古い橋)」と呼ばれるこの橋は、街の美しきシンボル。詩人ゲーテも、「この橋からの眺めには世界のどの橋も及ぶまい」と絶賛したという。

Column

今日の絶景

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2015.05.29(金)
文=芹澤和美