エイのおなかはマシュマロみたいに柔らか!
水面下には銀鱗がきらめくターポンの群れや珍しい固有種たち、紙粘土で作ったような不思議な形のソフトコーラル群が、高い透明度の中、広がっています。そしてグランド・ケイマンといえば、サザンスティングレイ(エイ)と一緒に遊ばなくては!
もともとは漁から戻ってきた漁師さんが、船底の売り物にならない魚を浅瀬に捨てていたところ、それを目当てにエイたちが集まってきたのが、エイと遊べるスポット「スティングレイ・シティ」のはじまりだそう。本来、エイは慎重な性格だそうですが、ごちそうの誘惑に“キャラ替え”してしまったとか!? その後、「サンド・バー」も開拓され、2大エイ・スポットとなっています。
どちらのスポットも、海底は真っ白な砂地。太陽の光が差し込んでゆらゆらと海底に模様を描く中、人の気配を察知したエイたちがどこからともなく集まってきます。直径1メートル以上の座布団が次から次へと飛んでくる感じ。
手の平にイカの切り身を置くと、掃除機のようにスポッと口に吸いこみます。エイのおなかはマシュマロみたいに柔らか! イカをもった手を頭上にあげれば、足元からすりすりとカラダを登って行ったり、甘えるような仕草をしたり、エイというより、子犬のようなはしゃぎっぷりです(伊豆あたりのアカエイにも、このくらい愛嬌があればスターになれるのに……)。
ちなみに、お隣のケイマン・ブラックはスティーブンソンの小説『宝島』の舞台。海賊ゆかりの地ゆえ、サンセットクルーズも海賊船を模したような木造の帆船だったりします。そしてこの島々が一年で最も盛り上がるのは、毎年10月末~11月ごろに開催される『パイレーツ・ウィーク』。街に海賊のコスチュームの人々が繰り出し、ボール紙ボートのレースや子ガメの放流、マラソン大会など、お祭り騒ぎが続きます。この時期に合わせて訪れれば、楽しさも倍増することでしょう。
グランド・ケイマン
●アクセス 米国諸都市で乗り継ぐ。マイアミからグランド・ケイマンまで空路約1時間10分。
●おすすめステイ先 ザ・リッツ・カールトン グランド ケイマン
URL http://www.ritzcarlton.com/ja/Properties/GrandCayman/
【取材協力】
ケイマン諸島観光局
URL http://www.caymanislands.ky/
古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/
Column
古関千恵子の世界極楽ビーチ百景
一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!
2014.09.13(土)
文・撮影=古関千恵子
写真=Cayman Islands Department of Tourism