水と暮らす人々の笑顔とおもてなしの心
阿蘇から「ななつ星」で熊本へ向かい、専用バスからフェリーに乗り換えて長崎・島原へ。この日は雲仙温泉の旅館「旅亭 半水盧」に宿泊する。
雲仙温泉の湯で心身をほぐし、ぐっすりと眠った翌朝は、ネイチャーガイドの市来勇人さんの案内で標高700メートルの地に佇む白雲の池へ。
「絹笠山からの湧き水が流れる白雲の池で、街の喧騒を離れて心身の力をよみがえらせる。そんな朝のひとときを過ごしていただければと思っています」
と市来さん。水の物語の第3章には、“雲の上の避暑地”のどこか懐かしい風景がスケッチされていた。
旅の4日目。大分県国東半島の寺院群「六郷満山」の中心である両子寺が、第4章の舞台だった。山門には一対の巨大な石造仁王像が立ち、境内の鬱蒼たる森から麓へと小川が流れている。
「国東半島では水の恵みをもたらす山を篤く信仰し、溜池をつくって雨水を活用する循環農法で米づくりを続けてきました。当寺では農家さんたちと協力してブランド米“両子米”を開発し、地元の農業を応援しています」
寺田豪淳法嗣はそう話す。地域の人々が笑顔で九州を語り、心をこめて乗客をもてなす「ななつ星」のエクスカーション。水の物語は、そこに暮らす人々との出会いが綴られていた。
CREA Traveller 2026年秋号
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