SNSアピールがないのに愛される理由
トムデイヤが大人気な理由は、単なる人気以外にも、今の若者の憧れを体現していることにあるだろう。
Z世代は『スパイダーマン』シリーズを通してトムデイヤの恋路を応援しながら一緒に育ってきた。つまり、親しみやすさでは群を抜いている。
一方で、神秘的な魅力も強い。トムもゼンデイヤも、スターになるに従いSNS投稿や派手な露出をおさえるようになっていったのだ。
有名人同士のオープンな交際が好まれるアメリカでは、セレブカップルが一種のビジネスになっている。恋愛リアリティショーブームのみならず、人気歌手が私生活の恋愛や別れを歌にしていく音楽も大人気だ。
対して、トムデイヤはつねに注目される「有名税」を受け入れる姿勢を示しつつ、交際関係を「聖域」として世間の目から守り続けてきた。供給が少ないからこそ、ファンは自由に2人の関係を想像できるし、期待もめったに裏切られない。
カップルの関係をオープンに味わえる貴重な瞬間は、仕事中に集中している。共演作のレッドカーペットでトムがドレス姿のゼンデイヤに見惚れる様子、インタビューでトムの冗談にゼンデイヤが爆笑してしまうかけ合い。そんな格好つけず微笑ましい瞬間が愛されている。
「本当に愛し合っている」と感じさせるカップルの魅力は、一般人の間でも説得力を持つ。たとえば、SNSで盛んに「完璧な関係」アピールするカップルに限って早く別れがち……といった「あるある」は世界中で共有されている。むしろ、トムデイヤのように発信控えめで長くつづいているタイプのほうが地に足のついた印象を与えやすい。
仕事を支え合う印象も強い。たとえば、巨匠クリストファー・ノーランからの『オデュッセイア』出演オファーを迷っていたトムの背中を押したゼンデイヤは「出ないと別れる」とまで言ったという。
