いきものがかりの名曲「YELL」をモチーフに、音楽教師と教え子たちの絆を描く映画『キリコのタクト~YELL~』。主人公・原田貴理子を演じた鈴木京香さんに、人生の節目に寄り添ってきた一曲や、俳優の道へと背中を押してくれた言葉を聞きました。30年以上にわたり俳優を続けてこられた原動力とは?

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森田芳光監督の言葉で「俳優に向いているかもしれない」と思えた

――本作『キリコのタクト~YELL~』では、いきものがかりの「YELL」が物語の中で大きな存在となっていますね。

 自分のために歌われているように感じられる、素晴らしい曲ですよね。聴いた人の誰もが、自分に向けて送られたエールのように感じられるのではないでしょうか。

――鈴木さんご自身が、人生の節目に聴いてきた曲や、背中を押された曲はありますか?

 そういった質問をされたときは、ビートルズの「アクロス・ザ・ユニバース」と答えています。人生のいいタイミングで流れてくることがあって、私にとってはラッキーナンバーのような曲なんです。

 最初に強く印象に残ったのは、東京で仕事を始めるようになった頃だったと思います。大学生のときにキャンペーンガールのオーディションに合格して、その発表会で流れていたんです。「この曲が流れたら登場してくださいね」と言われて。それ以来、「アクロス・ザ・ユニバース」は思い出の曲になりました。

 その後も、この曲が聞こえてくるたびに「何かいいことがありそう」と思うようになって。私にとっては、大切な一曲です。

――鈴木さんが演じた貴理子の言葉は、生徒たちの心に残り続けています。鈴木さんにも、誰かからかけられて励みになった言葉はありますか?

 本当に幸運なことに、学生時代の担任はみなさん素敵な先生で、いろいろな話を聞いていただきましたし、先生方からもたくさんのお話を伺いました。ただ、学生時代は楽しい思い出ばかりで、学校生活についてそれほど悩んだ記憶がなくて。だからこそ、仕事を始めてからかけていただいた言葉のほうが、今の自分の糧になっている気がします。

 森田芳光監督のオーディションを受けたとき、監督から「君はモデルというより、女優って感じがするよ」と言っていただいたんです。その作品が結果的に映画デビュー作となったので、とても記憶に残っています。それまではモデルの仕事が中心でしたし、何より森田監督にそう声をかけていただけたことが、とびきりうれしかったですね。

 その後、東京へ出てきたのですが、あの言葉がきっかけの一つになったのかもしれません。「私は俳優に向いているのかもしれない」と、自分を信じる力をもらえた気がします。

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