お経って本当はもっと“エグい”もの

――お経の内容は綺麗事ばかりではないし、生々しく壮大なものだというのが三木さんのスタンスですよね。

 お経には、「あなたが不幸に見舞われているのは、こういう因果があったからです」とはっきり書いてある箇所もあります。例えば、ある病気にかかる人は、前世でお釈迦様を誹謗中傷した人だ、と言い切っている。このように、本来のお経はエグい部分もたくさんあるものなんですよ。

 仏教の歴史観に基づけば、現代は末法の世(仏教の教えが衰え、正しい修行をする人や悟る人がいなくなる時代)です。末法の世において人々を救うには、前述のようなエグいことも言うべきだとお釈迦様はおっしゃるわけですが、私はさすがにそこまでは言えません。

 ただ、それを言わず人を救う方法も、お経には書かれているんです。私はいま、その方法を取るべきだと思って活動しています。『仏教レコード』などの著書やYouTubeでの発信、怪談説法も、その一環です。

 近々、お寺(光照山蓮久寺)の住職という立場を後継に任せて、ひとりの僧侶に戻る予定なのですが、それもこうした思いの延長にあります。お寺の経営からいったん離れ、人々の苦しみを取り除くことに注力していきたいと考えています。

『仏教コード』が「陰」、『仏教レコード』が「陽」

――2冊目のお経解説書となる『仏教レコード』ですが、三木さんにとってどのような位置づけの本になりますか。

 前作の『仏教コード』が「陰」で、『仏教レコード』が「陽」。この2冊は陰陽の対になっています。

 『仏教コード』を読んでいただいた方はわかると思いますが、全体的に暗いトーンの本ですよね。お経に書かれた予言――疫病、戦争、災害、食糧難など、決して楽観できない恐ろしい未来について多くのページを割いています。もちろん、破滅を回避するために私たちができることもしっかり書いているのですが、不安をあおったというご批判もたくさん頂戴しました。

 それに対して『仏教レコード』は、これからの人生、未来に何が起ころうと「なんとかなる」「幸福を得られる」と思えるように、希望に満ちた内容になっています。表紙カバーも光を意識したものにしました。

 古今東西の宗教を見ても、まず戒めがあり、そのあとに救いが説かれるのがセオリーです。人生はつらく苦しいものだし、思わぬ不幸や災害に見舞われることもある。でも、それを解決し救われる方法は絶対にある。『仏教コード』と『仏教レコード』も、実はこの構成をなぞっているのです。

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