ルールを学んでいる最中だった

 人気が過熱する一方、2月中旬にはパンチくんが大人のサルに引きずられているように見える動画が拡散。「かわいそう」といった声が国内外から寄せられた。しかし、この出来事について飼育担当者は、ニホンザル社会のルールを学ぶ上で必要な過程だと説明する。

「あのようなことが起こったのは、パンチがニホンザル社会のルールをきちんと理解していなかったためです。もちろん、パンチに罪はありませんし、怒った大人のサルにも罪はありません。大人の個体がパンチにしていることは人間で言うところのいじめや虐待ではなく、ニホンザルとして群れで暮らすために必要なことなんです」

 ニホンザルの群れには厳格な順位があり、それに伴うルールが存在する。例えば、自分より強い個体の上にまたがる「マウント」という行為だ。

 飼育員たちは、パンチくんが群れのルールを学習する機会を失わないよう、彼がニホンザル社会の一員として成長する日々を見守っている。

 パンチくんの存在は、ニホンザルという動物そのものへの関心を高めるきっかけにもなった。飼育担当者は「パンチを応援したいというお気持ちから、仲のいい個体に興味を持ったり、行動からどういった意味があるのかを調べてくださったりと、ニホンザルへの関心が高まっていることを非常に嬉しく思います」と語る。

市川市動植物園

所在地 千葉県市川市大町284番地1
https://www.city.ichikawa.lg.jp/site/zoo/

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