ニホンザルの子ザルがオランウータンのぬいぐるみを抱える姿が、千葉県・市川市動植物園の公式Xに投稿され、話題になりました。子ザルの名前はパンチくん。彼が懸命に群れに馴染もうとする姿は、日本のみならず世界中の人々の心を動かしました。
しかし、その世界的な人気の裏で、SNSでの炎上や来園者のマナーなどさまざまな問題も発生しました。そんななか、パンチくんをはじめ、ほかのニホンザルがこれまでと変わらず過ごせるよう、飼育員たちが大切にしていることとは。ダイジェスト版でお届けします。
いろいろと試して出会ったのが「オランママ」
ニホンザルのパンチくんは、飼育員たちの手によって命をつながれた。
「パンチは生まれた時からとにかく元気で、生命力がありました。人工哺育となったことについて、母親に罪はありません。自然でもそういったことは起こりますし、同園でも過去に起こった例はあります。
親が子を育てるべきというのは大前提ではありますが、救える命を見過ごすわけにはいかないという思いから、覚悟を持って人工哺育に切り替えました」と飼育担当者は語る。
安心感を求めたり、筋力をつけるために母親にしがみつくという、ニホンザルの赤ちゃんの反射行動を補うため、人工哺育の際はぬいぐるみが与えられることがあるが、いくつかの候補の中からパンチくん自身が選んだのが、のちに「オランママ」として愛されるオランウータンのぬいぐるみだった。
2026年1月19日、パンチくんは群れでの生活をスタートさせた。2月5日、園の公式Xに「サル山にぬいぐるみを持った子ザルがいます」という投稿がされると大きな反響を呼び、翌日には「#がんばれパンチ」というハッシュタグで国内外から注目を集めることになる。
市川市動植物園課長の安永さんは「群れに入れるように頑張っているパンチを応援してもらおうということで、2月5日と6日、公式Xにポストしたんです。そこから状況は180度変わりました」と当時を振り返る。
