湯上がりは、手作りの味がうれしい館内食堂へ

 湯上がりに立ち寄った、温泉施設内にある食堂「食彩工房 レストラン さわ」では、おばちゃんたちが手際よく料理を作っていた。メニューはどれも庶民派で、しっかり食べたい人にはたまらないラインナップ。定食、釜飯、そば・うどん、ラーメン、ピザまでとにかく種類が豊富だ。

 「看板メニューはあんかけ焼きそばですよ」と教えてもらい、迷わず注文。手作り餃子もセットにしてみた。

 チェーンの温浴施設ではどうしても“冷凍食品っぽいメニュー”になりがちだけど、個店だから手作り感のあるメニュー構成である。しかもボリュームたっぷりで、価格は抑えめ。お得感がある。湯の良さだけでなく、こうした“人の温度感”もいい。

御神体はさつまいも!? 温泉帰りに寄りたい「芋神社」

 温泉の帰りに立ち寄ったのが、さつまいもの産地、香取市ならではのユニークな神社だ。その名も「芋神社」! なんと御神体は幻のさつまいもと呼ばれている希少品種「紅小町」である。

 道の駅の前、さつまいも畑が広がる広大な敷地に赤い鳥居。その先に、さつまいものオブジェ(御神体)が鎮座している。

 千葉県はさつまいもの収穫量が全国3位。香取市は、成田市、多古町と並んでさつまいもの産地として有名なのだ。

 シーズンには「道の駅くりもと 紅小町の郷」の直売所でさつまいもを買って帰るだけでなく、いも掘りの収穫体験ができる「ふれあい農園」が併設されている。

 11月には、一晩かけて焼いた籾殻(すくも)の山にさつまいもを入れ、約2時間かけてじっくりと焼き上げる、「栗源のふるさといも祭」というイベントも開かれる。

 このお祭りでは「日本一の焼きいも広場」と銘打ち、1.2トンの焼きいもを無料配布するほか、巨大セイロで蒸した0.8トンのさつまいもも振る舞われる。これほどの規模の焼きいもイベントは、全国的に見てもめったにない。

 土地の恵みを味わいつつ、植物の記憶が宿る黒湯に浸かれば、この地の暮らしがより身近に感じられることだろう。

天然温泉リゾート 美人の湯 カーニバルヒルズ

所在地 千葉県香取市沢13−15
電話番号 0478-70-5400
営業時間 9:30~22:00(21:00最終入館)
料金 1,100円(タオル・館内着なし)、1,800円(タオル・館内着あり)、平日850円(平日応援フェア)

野添ちかこ(のぞえ・ちかこ)
温泉と宿のライター/旅行作家

「心まであったかくする旅」をテーマに日々奔走中。NIKKEIプラス1(日本経済新聞土曜日版)に「湯の心旅」、旅の手帖(交通新聞社)に「会いに行きたい温泉宿」を連載中。著書に『旅行ライターになろう!』(青弓社)『千葉の湯めぐり』(幹書房)。岐阜県中部山岳国立公園活性化プロジェクト顧問、熊野古道女子部理事。
https://zero-tabi.com/