お笑い芸人さんに、愛する地元のおいしい食べ物や仕事でよく行く場所でのおいしいものを語ってもらう不定期連載「芸人ソウルフード」。
第3回に登場いただくのは、アキナの山名文和さん。滋賀県東近江市出身で、現在は大阪を拠点に活動しています。食への関心も高く、最近では奈良の豆腐店まで豆腐づくりを習いに行ったり、味噌づくりへの意欲を掻き立てているそう。そんな山名さんに地元の馴染みの深い食べ物や誰かに渡したいお土産、ご自身の食生活など語ってもらいました。
――生まれ育った滋賀県東近江市はどんなところですか。
滋賀県のちょうど真ん中あたりで、地図で見ると琵琶湖の右側にある街です。といっても、琵琶湖までは1時間くらいかかる場所で、滋賀県では拓けているほうですけど、山間でちょっと行けば自然にも囲まれているところですね。
――地元の“ソウルフード”と聞いて、思い浮かべるのはどんなものでしょう。
有名なのはコッペパンにマヨネーズであえたたくあん漬けが挟んである「サラダパン」ですよね。
地元を離れると、県民食を俯瞰で見直すような機会って出てくるじゃないですか。大阪に出てからサラダパンが有名やっていうのを聞いたんですけど、僕は全然知らなくて。『秘密のケンミンSHOW』で放送されたことで有名になって、滋賀県全域で売られるようになったんじゃないかなと思うんですけど、1回も食べたことはなかったですね。
「みんな食べたことがないものなんや」って気づいた滋賀の食べ物は、日野菜(ひのな)。カブみたいな野菜の根っことか茎の部分も刻んで漬けもんにした日野菜漬けっていうのがあるんですけど、それは毎日のように食べてました。
――漬物ということはそのまま食べるんですか?
醤油をかけたり、七味を振ったりして。これがねぇ、むちゃくちゃおいしいんですよ。
あとは、母親が「今日、なになにさんから貰うてきたわ」って言うて、ちっちゃい鮎や小さいシジミを煮た甘辛い佃煮もよく食卓に並んでました。
それから、「えび豆」っていう湖で採れたスジエビと大豆を一緒に炊いたやつがあるんですよ。口の中に入れるとちっちゃいエビの髭がチャッチャって刺さってちょっと痛いんですけど、噛み潰した時の食感がよくてめっちゃうまい。スジエビと大根を薄味で炊いたやつも、よく晩ご飯に出ててました。
この辺はみんなが食べてるもんやと思ってたんですけど、大阪に出て、あぁ、みんな知らん食べ物やったんやと気づきました。
――琵琶湖で獲れたものは、生活の中に馴染んでいるんですね。
そうですね。基本、肉はあんまり食べなくて、ほぼ魚。僕の家は特にそうだったのかもしれませんけど、揚げ物とかハンバーグとかが食卓に並ぶことはなかったです。
いつもの晩ごはんは、たとえばメインが焼き魚だとしたら、煮物のほかに、さっき話したような佃煮的なやつがちっちゃい器にたくさん並んでるって感じです。
「今日のおかず、ハズレやな」と思ったら、自分でその辺を冷蔵庫から取り出して、ご飯にかけて何杯か食べたりもしてましたね。
