喫茶文化が根付く名古屋で愛されている「カフェタナカ」。約60年前に喫茶店から始まり、自家焙煎コーヒー店を経て、現在はカフェ&パティスリーとして、グランシェフ パティシエ 田中千尋さんを中心に心躍るスイーツを生み出しています。

 その歴史や大切にしている想いが詰まった書籍『CAFÉ TANAKA PHILOSOPHIE 幸せのティータイム』が発売されました。

 美しい写真を眺めながら、店への想いや素材へのこだわりを紐解いていくうち、すぐにでもティータイムを始めたくなるはず。本書より、抜粋してお届けします。

» 【限定缶は数分で完売】カフェタナカのクッキー缶に人々が魅了される理由


幸せを運ぶお菓子の数々

 お菓子のストーリーが生まれるとき。そこにはいつも、素材との出合いがあります。(グランシェフ パティシエ 田中千尋・以下同)

 季節の移り変わりを感じ、旬の味を大切にしたいというのは、パリのマルシェで心躍らせたときから、変わることのない私の想いです。

  「Quelle est votre specialite?(お店のスペシャリテはなんですか?)」ーフランスでよく聞かれる言葉ですが、そのことを自分にも問い続け、私のスペシャリテは、これまで日々、積み重ねのなかで生まれてきました。

クッキーにしろ、フルーツのタルトにしろ、どれもが素材の持ち味を生かし切り、無駄をそぎ落としてシンプルを掘り下げたお菓子となっています。

2025.06.22(日)
文=カフェタナカ
撮影=北川 鉄雄