この記事の連載
傘ソムリエ・土屋さんが選ぶ日傘3選【前篇】
傘ソムリエ・土屋さんが選ぶ日傘8選【後篇】
遮光率だけじゃない。遮熱性・使い心地とのバランスもチェック
日傘のスペックで特に注目されるのが「遮光率」と「遮熱性」。数値が高い方がよさそう……とつい思ってしまいますが、見落としがちなポイントもあります。
「遮光率が99.9%でも、遮熱性能が低ければ体感温度は下がりません。逆に遮光率は99%でも、遮熱性が極めて高いモデルもあります。ご自身がどんなシーンで使いたいか、重視するポイントを明確にして選ぶのが正解です」
また、日傘を初めて使う人には「軽さ」や「開閉のしやすさ」も大切なチェック項目。「通勤で毎日使いたい」「バッグに入れて持ち歩きたい」など、ライフスタイルに合った形状(長傘か折りたたみか)や機能性も重要な判断材料です。
明るい色=涼しい。でも「白」にも注意点が?

「そもそも、日傘の色って、何色が一番涼しいんですか?」。そんな素朴な疑問に対し、土屋さんは「涼しさで言えば“白”は表面が暗い色より涼しいですよ」と断言します。
「熱を吸収しやすい黒に比べて、白やベージュなど明るい色は熱をこもらせにくい。体感的にも涼しく感じます。ただし、汚れが目立ちやすく、生地の劣化も早いというデメリットがあるんです」
現在は裏面に高機能コーティングが施された日傘も増えており、「見た目の色を楽しみながら、機能性も確保できる時代になっている」と、土屋さん。ファッションとの相性も含め、自分が使い続けられる傘を選ぶことが最も大切なようです。
ユニセックスな時代の傘選び
以前は「日傘=女性向け」という固定観念が根強く、男性が使うことに抵抗を感じる場面も少なくありませんでした。しかし近年は、機能性とデザイン性のバランスが取れたユニセックスな日傘が多く登場していると言います。
「女性でもフリルやリボンが苦手な方はいらっしゃいますし、男性も“黒やネイビー一択”みたいな時代ではなくなっています。そのため、今はフリルや刺繍などの装飾を省いた、くすみカラーやシンプルなデザインが主流になりつつあります。最近では“性別ではなく好みで選ぶ”という視点がスタンダードになっていると思います」
2025.06.11(水)
文=船橋麻貴