この記事の連載
# MEGUMIさんインタビュー前篇
# MEGUMIさんインタビュー後篇
母親は家庭の現場監督。だからこそストイックになり過ぎないで

──本作はセックスレスが大きなテーマになっていますが、息子が不登校気味だったり、子どもの前で口喧嘩をしてしまったりと、この夫婦はセックスレス以外の問題も抱えています。MEGUMIさんだったら、どのように解決を試みますか?
チカもそうですが、世の母親って家庭で起きている問題に対して「自分のせいでこうなってしまった」と思い込んでしまいがちですよね。どうしても自分を責めてしまいます。なのでもう少し周りの人に頼ったり、「しょうがないか」と軽やかな気持ちを持てたりするといいですよね。
母親って、家庭の現場監督みたいなところがあるから、母親の機嫌が悪いと家庭の雰囲気も曇ってしまうし、逆に機嫌が良いと家も明るくなることも多いと思います。家族にとって家を居心地の良い空間にするためには、ストイックになりすぎないのも大切。私も思い詰めてしまうところがあるので、気をつけないとですね。

──チカは、お風呂にのんびりと入ることでなんとかバランスを保とうとしています。MEGUMIさんはご自身の機嫌をどう保っていますか?
チカは日々の暮らしに追われていて、ゆっくり友達に悩みを相談することも出来ていませんよね。唯一、現実からトリップできる時間がお風呂。それなのに豪太はチカの入浴中にも話しかけてくるわけですが……。
私は、夜中に映画を観てリフレッシュすることが多いかな。配信されている作品を観ることもあれば、一人で映画館に足を運ぶことも。
あとは、あえて手間暇かけてごはんを作ることにもハマっています。出汁を丁寧にとったり、お米を土鍋で炊いたり。納得できる食材をセレクトして、粗食を作るということを意識的にやっています。目の前の食材に向き合うことで、頭の中のもやもやが晴れるんです。
MEGUMI
1981年生まれ、岡⼭県出⾝。2001年デビュー。持ち前のキャラクターを活かしてテレビや雑誌などで活躍。その後、映画やドラマ、舞台への出演など活躍の場を広げているほか、プロデューサーとしての作品としてドラマ『くすぶり⼥とすん⽌め⼥』『完全に詰んだイチ⼦はもうカリスマになるしかないの』、映画『零落』がある。また、美容本『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)はベストセラーに。最新出演作に、映画『かくかくしかじか』がある。
『劇場版 それでも俺は、妻としたい』
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』の脚本などを手掛けた足立紳が、自ら執筆した私小説を映像化。売れない脚本家の柳田豪太(風間俊介)は、妻のチカ(MEGUMI)とセックスしようとするが、チカはそんな豪太を拒絶する。「したい」夫と、「したくない」妻がセックスを巡り繰り広げる攻防戦。痛快エンターテイメントドラマ。
原作:足立紳『それでも俺は、妻としたい』(新潮文庫)
脚本・監督:足立紳
出演:風間俊介、MEGUMIほか
配給:東映ビデオ
5月30日(金)全国ロードショー
https://www.tv-osaka.co.jp/soretsuma/movie/

2025.05.29(木)
文=高田真莉絵
撮影=佐藤 亘