この記事の連載
おづまりこさんインタビュー【前篇】
おづまりこさんインタビュー【後篇】
次の旅の楽しみにつながるおみやげの“マイルール”
――そして、ここぞというときのおづさんの買いっぷりがたまりません。真剣さも高揚感も伝わってきます!
食いしん坊ですね……私は(笑)。「この旅でこれを買う」をひとつ決めて、それは際限なく買っていいと許してるんです。尾道の「レモン」しばり、北海道の「六花亭」、神戸のパン。この3つは長年好きなので、高まりました。

――ひとつのものを集中して買うってぜいたくな感じがします。
レモンケーキは見かけたら全種類買ってやろうと思ってて。でも、全部買ってもそんなにヤバいほどではなかったですよ(笑)。六花亭もすごくたくさん買ったのに、それほどお金を使ってない。帰ったら家のテーブルが六花亭で埋め尽くされておもしろかったです。このとき、ホントにお土産は六花亭しか買わなかったんです。札幌なんて買いたいお土産めちゃくちゃあるじゃないですか。でも、今回はあえて六花亭以外は買わない。それが「また来よう。次はスープカレーしばりかな」って……次の楽しみにつながるんです。
――そうやってしばりを設けると、網羅的に研究が深まりそうですね。
それと記憶にすごく残ります。「このときは六花亭を思いきり買ったな」「尾道でレモンケーキを買いまくったな」とか……思い入れが強くなりますね。
旅のおかげでファッションの幅も広がった
――ちなみにひとり旅でおしゃれ着をおろすなんて憧れます。
これは服を買う言い訳でもあるかな。旅先の土地でこの服を着ている自分を思い浮かべて……買っちゃう(笑)。自然と気分も上がるし、服そのものにいい旅の思い出が保存されるというメリットもあります。
――ファッションを旅のテーマとリンクさせるのも素敵ですね。
神戸では朝イチはクロワッサンと決めていて。おしゃれなお店だったからきちんと感のあるファッションを意識しました。口紅もちゃんとつけてね。ちょっとコスプレっぽいんですけど、クロワッサンを食べてる自分を外から見るような感じで。

――相乗効果でクロワッサンもさらにおいしくなりそう!
旅先ならではの楽しみですね。買ったはいいけどなかなか使う機会がなかった大きくてカラフルなイヤリングも、旅先だと思いきってつけられたり。ファッションはそんなに得意でもないんですけど、旅のおかげで広がってきたように思います。
おづまりこ
兵庫県生まれ。東京でルームシェア生活を数年した後、ひとり暮らしを始める。現在は関西在住。著書に「料理レシピ本大賞InJapan」コミック賞を受賞した『おひとりさまのあったか1ヶ月食費2万円生活』のほか、『おひとりさまのゆたかな年収200万生活』『わたしの1ヶ月1000円ごほうび』(以上、KADOKAWA)『ゆるりより道ひとり暮らし』『金曜日のほろよい1000円ふたりメシ』(以上、文藝春秋)がある。
X @mariskosan

ゆるり 愛しのひとり旅
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2025.04.12(土)
文=粟生こずえ