この記事の連載
おづまりこさんインタビュー【前篇】
おづまりこさんインタビュー【後篇】
お気に入りのパジャマは必須
――お気に入りのパジャマを持っていかれるのも目からウロコでした。旅って荷物が少ない方がいいという思いこみがあったので。
ホテルでは旅の疲れをとることが大事ですから。私は環境が変わると眠れない不安があるタイプなので、パジャマは必須ですね。目覚まし時計とかも持っていきますよ。
――「のんびりする旅」というコンセプトも「旅はアクティブでないと」みたいな思いこみを払拭してくれます。
ホテルに帰って「リラックスグッズ全部載せ」をやるから、「夕食はコンビニでいいや」ってなるんです。

――気合いの入れ加減と抜き加減が参考になります。
すべて全力だと疲れるので。ホテルでコンビニごはん食べるのってけっこう好きなんですよ。家でコンビニごはん食べるのとは違うんです。旅先だと、妙においしく感じたりして。
絶対に行きたい店を1軒だけ決める
――旅先で行くお店はどんなふうに決めているのでしょうか。
そもそも、お店を調べるのが趣味なんですよね。旅に限らずふだんでも、「次にこの街に行ったら何食べようかな」と地域で検索してリストを作ってるんです。仕事がいそがしいとき、これでやる気を出してますね(笑)。
そのときそのときで自分の食のブームがあるんです。たとえば豆花にハマったら豆花のお店を徹底的に調べるみたいな。最近では一時期クレープにハマって、行ける範囲のクレープのお店をめちゃくちゃ調べてました。
旅のときは、地域でしばれるからやりやすいですよ。ホテルから近いお店とか。「ここに行くついでにここに行こう」とか、計画していくのも楽しいです。
――でも、ごはんには回数に限りがあるから悩ましいですよね。
1泊2日だと3回しか行けないですからね。いつも「絶対にここは行きたい」という店は1軒だけ決めるんです。「ここもあそこも」って決めすぎても全部行けるわけがないから。「ここ行きたかったのに開いてなかった、せっかく来たのに」みたいな気持ちにならないように。
――「このお店に行けてよかった」っていうプラスの気持ちだけが残る仕組みができてるんですね。すごい!
あらかじめハードルを下げておくんです。奈良でいうと「かき氷を食べる」と決めていたけど、「できればここで食べたい」お店はチェックしても人気店だから入れないかもしれない。「ここじゃなくても食べられたらいいな」くらいの気持ちで。

――がっかりしないよう気持ちの保険をかけておくわけですね。
ネット情報で開いてると思って行ったけど開いてないこともあったりするので、あらかじめお店を第3候補くらいまで調べていくといいですね。
2025.04.12(土)
文=粟生こずえ