雑誌や広告をはじめ、ポートレイト、風景、静物などを中心に制作活動を行うフォトグラファーの興村憲彦。近年は“言葉”と“写真”を組み合わせることで、新たな視点を提示する取り組みを続けている。

 4月1日に刊行される作品集『欠伸する午後』も詩と写真の響きあいを表現する写真集。2020年に刊行された初写真集『DRIVE』と同様に、父であり詩人の興村俊郎の綴った詩との共作となっている。


ノスタルジーなフィルム写真とことばが織り成す無限の世界

 フィルムで撮影されたどこかノスタルジックなシーンの数々が、心に浮かぶ過去の記憶を独特の切り口で表現した詩と重なることで、写真に新たな視点が宿る。

「読む人の心にそれぞれの大切な記憶と風景が広がっていく本です」(興村)

 その言葉通り、写真と言葉が紡ぐ世界は千差万別、無限大。その時、その時の自分の心情によっても、表情を変える写真集になっている。

収録作品の写真展示に加えて、イベントも開催

 写真集の刊行に合わせて、収録作品の写真展示も開催。

 また、合わせて俳優の片桐はいり氏による詩の朗読を行い、詩と写真の響き合いを感じることのできる特別なイベントも開催される。※好評につき、既に受付終了

 春ももうすぐ。まどろむような暖かな午後、出かけてみるのも一興だ。

興村憲彦 写真展「欠伸する午後」

会場 HUNCH
所在地 東京都大田区西蒲田7-61-13
会期 2025年4月3日(木)~4月7日(月)
開場時間 13:00~19:00 入場無料
※4月5日(土)はイベント開催日のため13:00~15:00となります。

2025.03.27(木)
文=CREA編集部
写真=興村憲彦