休日は陶器や美術品を見て過ごします

――昨年はとてもお忙しかったと思いますが、2025年の目標を教えてください。
去年は思っていたよりも忙しくなっちゃったのですが、今年はもう少し余裕を持って仕事をしたいと思っています。メリハリをつけて仕事と向き合っていきたいと思いつつ、最近は自分の時間を大切にしているので、興味があることなどに時間を使える日々を過ごしたいですね。
今ハマっていることもたくさんあるのですが、そのうちの一つが陶器。先日も好きな陶器作家さんの個展に伺い、お皿を3枚ほど購入しました。そのあとは美術館に行って坂本龍一さんのインスタレーションを観て……。大満足の休日を過ごしましたね。充実感がハンパなかったです。
――オンとオフのスイッチはどうやって切り替えていますか?
あまり意識しないでも、必要なときにオンになって、自然とオフになるんです。全部オフにするのは難しいのですが……。最近は本当にテレビをつけなくなっちゃったので、家では音楽を聴きながら、ゆっくりと時間をかけて食事を作って食べること……ですかね。それが息抜きのひとつになっています。

――長澤さんと同じくらいの年齢層であるCREAの読者に向けて、長澤さんご自身の仕事に対する信条や悩まれたときの克服方法などを教えてもらえますか?
自分が全部やらないと安心できない、ということが多くなる年頃だと思いますが、案外周りの人の手を借りたり、手分けをしたり、頼んでみたりすることが大切なのではと最近思うんです。
30代後半に差し掛かると、「自分が一番わかっているから」と一人で抱え込みがちなこともあるでしょうし、下の人を育てないといけない立場の方もいるはず。なかなか難しいとは思いますが、誰かを信じて任せてみることで関係性を作っていかないと物事は変わらないんですよね。
一度自分の手から離して、“一緒に乗り越える”みたいな感覚でいないと、どんどん抱え込みすぎて疲れちゃうと思います。私も少しずつ、そうするようになりました。前は、共演者の方々となかなか会話ができなかったんですが、最近はお話するようになりましたから。
――最後に、読者にメッセージをお願いいたします。
今回の舞台は夫婦の関係性を描いていますが、人との関係性は夫婦のみならず、いろんなところにあるので、そういった“関わり”について考えさせられる物語になるのだろうと思っています。
自分はどんなふうに人生を送りたいんだろう、自分の理想って何だろうと、まさにそういった思考に直面するであろう世代だと思うので、共感性を持って観ていただけるとではないかと思います。機会があれば、ぜひ劇場に足を運んでください。
長澤まさみ
1987年6月3日生まれ、静岡県出身。2000年に第5回『東宝シンデレラ』オーディショングランプリを受賞、同年公開の『クロスファイア』で映画デビュー。2003年に『ロボコン』に初主演、第27回日本アカデミー賞新人俳優賞などを受賞。2004年には『世界の中心で、愛をさけぶ』にヒロインとして出演し、第28回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を史上最年少で獲得するなど、現在に至るまで数々の映画に出演、受賞歴を誇る。初の舞台出演は2011年PARCO劇場での『クレイジーハニー』。2024年はNODA・MAP『正三角関係』に出演。ロンドン公演を含む全80公演への出演を果たし、大きな話題を集めた。今年6月には映画『ドールハウス』の公開も控えている。
Bunkamura Production 2025「おどる夫婦」
長澤まさみ 森山未來(W主演)
松島聡 皆川猿時 小野花梨 内田慈 岩瀬亮 内田紳一郎 伊藤蘭
2025年4月10日~5月4日、THEATER MILANO-Za、5月10日~19日 森ノ宮ピロティホール、5月24日・25日 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館、5月31日・6月1日サントミューゼ 大ホール(上田市交流文化芸術センター)
ニットトップス 192,500円、ワンピース 423,500円、シューズ 173,800円/すべてジル サンダー(ジルサンダージャパン 0120-998-519)、ブレスレット 239,800円、リング 126,500円/ともにシャルロット シェネ(エドストローム オフィス 03-6427-5901)、ピアス/スタイリスト私物

2025.03.29(土)
文=前田美保
写真=佐藤 亘
ヘアメイク=スズキミナコ
スタイリスト=吉田 恵