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コミカルな演技にはじめて挑戦

――役作りの難しさはありましたか?

Kōki, 今回、はじめてコミカルな演技に挑戦したので、はじめはどうしたら「面白く」なるのかがつかめず、苦労しました。たとえば、自分ではかなり大げさに演じたつもりでも「もっと大げさにやって」と言われ、戸惑ったり……。

 でも、現場で私が悩んでいると、必ず星野(和成)監督がやってきて、自らお手本を見せてくださったり、納得できるまで説明してくださったりしたので、だんだん自分でも感覚がつかめるようになりました。監督には本当にていねいに引っ張っていただいたと感謝しています。

――本作では、「ボサボサ眉毛で顔中にニキビ」という「すっぴん顔」にも挑戦されています。抵抗はありませんでしたか?

Kōki, 抵抗はまったくありませんでした。それよりも、メイクさんにつくりあげていただいた“すっぴん”顔を、どうしたら麗奈らしくナチュラルに見せられるかに必死でした。

 自分なりに研究を重ねて、たとえば目に力をいれず、口も半開きにして開けたままにしたり、猫背で少し力の抜けた姿勢を意識したりするなど、細かい所作の積み重ねで、私なりの「すっぴん麗奈」をつくっていきました。

――ほかに「麗奈らしさ」で大事にされた部分はありますか?

Kōki, 麗奈はどんなに辛いことや大変な目にあっても、前向きにとらえ、吸収していきます。そういうポジティブさと、ピュアでまっすぐなところ、まわりを明るく元気にしてくれるところは、キャラクターとしても、ひとりの女性としてもすごく魅力的な部分だと感じていましたので、大切に演じました。

 麗奈には、困ったときや悩んだとき、壁にぶつかって落ち込んだときに、必ず助けてくれる仲間がいます。それは、麗奈の素直で明るい性格がみんなに好かれているからだと思います。私もまわりの方に助けていただくことがとても多いのですが、誰からも好かれる麗奈のようにポジティブでピュアでいられるよう努力したいとあらためて思いました。

2025.03.19(水)
文=相澤洋美
写真=深野未季