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 初のエッセイ集『地球と書いて〈ほし〉って読むな』を刊行した歌人・エッセイストの上坂あゆ美さんと、「ラップスタア誕生2023」への出演やアイドルへの楽曲提供などで注目を集めるラッパーのvalknee(バルニー)さん。

 最近知り合ったばかりというのが信じられないほど同じバイブスで生きている二人による、“マジの言葉”だけが高速で飛び交ったパワフルな対談をお届けします。


出会いは新大久保のカンジャンケジャン屋

上坂 歌人とラッパーって、本来はあんまり関わりがないはずなんですよ。うちらが最初に会ったのって、2、3ヵ前?

valknee 超最近。新大久保のカンジャンケジャン屋。

上坂 広告代理店時代の同僚のアートディレクターの男の子が、「上坂さんに紹介したい人がいます」って言って、うちらを会わせる場を設けてくれて。

valknee その人は私の美大時代の同級生で、私の親友の親友。私、知らない人には結構壁作るタイプなんだけど、「親友の親友ならいいか」ってことで会うことになったんだよね。

上坂 そう。紹介された時点で言うとだいぶ遠いよね(笑)。

valknee 上坂さんのことは「上坂あゆ美のオールナイトニッポン0」とかで名前を見たことはあったけど、あんまり知らなかったから、インタビューを読んで予習した。そうしたら、結構共通項が多そうというか、「わかりあえるだろうな」みたいな感じがした。まあ、2、3カ月の仲ですけどね(笑)。

上坂 私はバルニーちゃんと会う前から、勝手に信頼してて。それはもちろん作品がめっちゃいいと思ってたのもあるし……私、“接触イベ(ント)”が多い作家で、バーで働いたりもしてるんだけど、そこに「私、上坂あゆ美とバルニーを世界で一番推してます」っていうお客さんが数人いたの。

 結局普段プライベートで仲いいかどうかより、作品を見て信じてくれた人って信用できるなと思うんだよね。バルニーちゃんと私の作品を見て、その二人を好きって言う人がいるんだったら、バルニーちゃんとは絶対仲良くなれるって思った。

valknee ジャンルは違えどね。嬉しい。

2025.01.17(金)
文=ライフスタイル出版部
撮影=平松市聖