愛する猫に疲れやコリがあるなら癒してあげたい! そんな人におすすめなのが、獣医師・鍼灸師の中桐由貴さんが提唱する「ねこほぐし」。

 中桐さんの『ねこほぐし 猫を整えるマッサージ&ストレッチ』(産業編集センター)は、顔まわりや手足、体、尻尾、肉球のマッサージ方法と股関節と膝、首、背中のストレッチ方法を全工程写真で解説する、わかりやすくてかわいい1冊です。

 猫カゼやストレス、肥満解消法も掲載。猫を飼っている人には今日から役立つ情報満載、猫を飼っていない人でも、ほぐされる猫写真集として楽しめると話題に。

 今回は、特別に3つのマッサージを抜粋してご紹介します。


【目と額】のマッサージ

 顔まわりは触らせてくれやすい場所です。マッサージに慣れていない子でも、このステップのどれかはさせてくれると思います。

効能:目や鼻のトラブル解消、頭部の痛みやふらつきの改善、精神安定。

方法:各ステップ3~5回ずつ。

マッサージポイント:どのステップでも最初と最後は少し圧をかける。

チェックポイント:涙や目脂が多くないか、白目が赤くなっていないか。

注意点:目まわりは粘膜まわりになるので、優しくおこなう。

●Step 1

 目頭から目尻をゆっくり撫でる。初め(攅竹・さんちく)と終わりの部分に圧をかける。

 ツボ>攅竹……眼疾患、瞼の痙攣、視覚障害などに使うツボ。

●Step 2

 頬をつまんで、モミモミ。頸部のリンパへの刺激にもなる。

 ツボ>太陽(たいよう)……眼疾患、頭痛、顔のむくみなどに使うツボ。

●Step 3

 目の下から耳手前まで。ゆっくり撫でる。

 ツボ>承泣(しょうきゅう)……涙の分泌を調整するツボ。涙やけや充血などに使う。

●Step 4

 鼻上から頭までさする。特に鼻詰まりの改善。

 ツボ>神庭(しんてい)……イライラやストレス解消のツボ。

●Step 5

 額から頭頂部あたりを指先でこちょこちょ。身体バランスを整える。

【Column】万能のツボ「百会・ひゃくえ(※頭百会)」

 頭のてっぺん、耳と耳の間の中心にあります。

 身体の熱を出したり、精神安定、背骨まわりの痛みをとったり、身体全体のバランスを整える働きがあります。人では百会は頭だけですが、動物では、腰にも腰百会(こしひゃくえ)というツボがあります。これは馬でマッサージや鍼治療をする際、頭が高く刺激しにくく、腰で同様の効果がある場所を腰百会として治療に使っていたからという話を聞いたことがあります。

 実際犬猫に鍼灸施術する時は、腰百会は必ずと言っていいほど刺激するツボです。

2025.01.03(金)
文=中桐由貴