夕暮れビーチは犬たちの社交場に

 オーシャン・アベニューはカーメルビーチへと続いています。サンセットタイムには愛犬を連れた住民やツーリストも一日の最後を迎えるために集まってきます。犬を連れた女性に声をかけてみると、サンフランシスコから車で3時間かけてやってきたとか。

 カーメル・バイ・ザ・シーでは路上駐車している車も目を引きます。ベンツやポルシェ、テスラなど、高級車がずらり。でも、この街にはインターナショナルな展開をしている高級ホテル・ブランドは皆無。どれもインディペンデント系のスモールラグジュアリーなホテルなのです。

 そのひとつ、「ローベルジュ・カーメル」は1929年に建造、20の客室は同じデザインは2つとありません。そしてルレ・エ・シャトーのメンバーであり、美食にも定評があります。

 5年前に訪れた際、キッチンをまとめあげていたのはイケメン料理長ジャスティン・コグリーさん。その時は海苔を6時間低温で煮込んだ“ノリナード”をソースに使い、コールラビをフィットチーネのように仕立てるなど、クリエイティブな料理にびっくりの連続でした。

 そしてジャスティンさんの経歴にさらにびっくり。なんと“ディズニー・オン・アイス”のフィギュアスケーターだったとか。アジア、オーストラリア、ヨーロッパをツアーで旅して新しいフレーバーに出会い、料理に開眼。米国へ戻ってシェフになったそう。

 当時、ジャスティンさん率いるレストラン「オーベルジーヌ」はミシュラン1つ星でしたが、2024年に2つ星に昇格したようです。

 コミュニティの一人ひとりが自分の街を愛し、つながっているカーメル・バイ・ザ・シー。個人主義のイメージがあるアメリカで、夢のある街を発見した気分です。

カーメル・バイ・ザ・シー

●アクセス アクセス サンフランシスコ国際空港から車で約2時間30分
●おすすめステイ先 ローベルジュ・カーメル
https://laubergecarmel.com/

取材協力
カリフォルニア観光局 https://www.visitcalifornia.com/jp/

古関千恵子(こせき ちえこ)

リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。
●Instagram https://www.instagram.com/chieko_koseki/

Column

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2024.12.14(土)
文・撮影=古関千恵子